初心者でもできる多肉植物の育て方|おすすめ品種・基本のお手入れ方法や増やし方も
プクプクした見た目のかわいさが特徴の多肉植物。その種類は1万種以上あり、室内のインテリア植物として人気です。初心者でも簡単にできる育て方や増やし方、おすすめの種類を解説していきます。多肉植物の基本情報や選び方、特徴なども合わせてご紹介するので、これから多肉植物を本格的に集めたい方はぜひチェックしてみてくださいね。
そもそも多肉植物とは?
「多肉植物」とは、もともとは砂漠などの乾燥地帯に生息する肉質植物のこと。葉っぱや茎に水分を蓄えることができ、丸みのある質感が特徴です。インテリアに最適な見た目と豊富な品種の数、あまり手間がかからず初心者でも育てやすいので趣味としても人気が高まっています。
多肉植物の選び方
多肉植物を選ぶときは、生育型を抑えておきましょう。生育型とは、多肉植物がどの時期に成長するかによって分けられたタイプのことで、春と秋に成長する「春秋型」、夏に成長する「夏型」、冬に成長する「冬型」の3つに分けることができます。成長期には通気性の良いところに置き、それ以外の季節は休眠期となるため、日当たりの良い室内に置くようにしましょう。水やりのタイミングは成長期がメインで、休眠期は断水か数か月に一回くらいにするのが一般的です。栽培する場所や地域によって選ぶのがポイントです。
多肉植物の育て方の基本ルール
多肉植物を正しく育てるための基本的なルールをご紹介します。
①水やり:もともと砂漠地帯に生息する多肉植物の水やりは、基本的に成長期のみ。土表面の水が乾いてから一週間後くらいに再度水やりをするのがおすすめです。
②土・肥料:土は多肉植物専用の土を使うのが基本です。ガーデニングに良く使われる赤玉土などは多肉植物には不向きなので覚えておきましょう。
③植え替え:多肉植物の植え替えのタイミングは、真夏や梅雨、真冬を避けた時期に行いましょう。鉢底石を底に入れると水はけが良くなります。土の代わりに植え込み材になるヤシの実チップもおすすめです。
多肉植物栽培に最適な土 ■吸水性・通気性・保湿性を保持
ベラボン・サキュレント
特殊加工を施した高品質のヤシの実チップ「ベラボン」。エケベリアやセダム、アロエなどの多肉植物栽培に最適な吸水性を保持しています。
通気性・保湿性にもすぐれ、冬の寒さによる根へのストレスを軽減します。軽量かつ手が汚れにくく、室内やキッチンでも清潔に扱えます。
多肉植物を育てるうえで注意すべき害虫
多肉植物を育てる際に初心者が知っておきたい病害虫、対処法について解説します。
①アブラムシ:アブラムシは、多肉植物だけでなく一般的な植物を弱らせてしまう害虫。殺虫剤は植物自体にダメージを与えてしまうので、水で洗い流すと良いでしょう。
②ナメクジ:葉を食べてしまうナメクジは、多湿を好む害虫。梅雨や春~秋にかけて発生することが多く、ハーブなどの香りをまくと駆除効果が高いと言われています。
③カイガラムシ:カメムシの一種で、乾燥している環境を好むため多肉植物にとっては厄介な害虫のひとつ。消毒液をつけたピンセットなどでつまむか、量が多い場合はブラシなどで掻きだすのがおすすめです。
被害を受けやすい柔らかい新芽や花芽には特に注意が必要です。日々観察しながら害虫予防することを心がけましょう。
多肉植物の増やし方
多肉植物を長く楽しむための増やし方、キレイに保つための適切なお手入れ方法をご紹介します。
①株分け:太い親株のまわりの小株を切り離し別々の鉢に植える方法で、成長するにつれ鉢が窮屈になったら行います。エケベリアやハオルチアなどに適します。
②葉挿し:落ちた葉や生きている葉を新しい土に置いて増やす方法。土の上に1枚置くだけで新しい芽が生えてきます。
③挿し木:余分な茎や伸びすぎた部分をカットして新しい土に植える方法。親株の根元をカットし少し乾燥させると切り口から芽が生えてきます。カットした親株からも芽がでてくるのがメリットです。
初心者におすすめの多肉植物の種類
豊富な種類の中から、初心者におすすめの多肉植物をご紹介します。育てやすさはもちろん、鑑賞用やインテリアにも人気の品種をピックアップ。あなたのセンスや好みに合わせて複数の多肉植物を選んでみてくださいね。
初心者が育てても失敗しない?! ■バラの花びらのように美しいエケベリア
エケベリア
バラのような美しい見た目が特徴の春秋型「エケベリア」。暑さや寒さに強く初心者でも育てやすい多肉植物として人気です。
緑やピンク、ブルーがかったものなど色の種類が豊富なのも特徴。大きさもさまざまあり、単体ではもちろん、寄せ植えすると一層存在感が増しますよ。
ほかの多肉植物と相性の良いミニサイズ ■プクプク感重視の方におすすめのセダム
セダム
ベンケイソウ科の中では最も種類の多い「セダム」。肉厚なミニサイズの葉が特徴で、多肉植物らしいプクプク感が好きな方におすすめです。
日当たりが良い場所を好む春秋型のセダムには、虹の玉、乙女心など人気の品種がたくさんあります。黄緑や赤などカラーバリエーションも豊富で、ほかの多肉植物との相性もばっちりですよ。
人気多肉植物の代表格 ■みずみずしい透明感を持つハオルチア
ハオルチア
葉にたっぷりと水分を含む「ハオルチア」は、和らかい葉の「軟葉系」と硬い葉の「硬葉系」に分かれます。どちらも人気種ですが、みずみずしさのある軟葉系が初心者におすすめです。
「窓」と呼ばれる透明な葉の先端を持つのが軟葉系の特徴。光に当たるとまるで宝石のように輝く「オブツーサ」が代表的品種です。
カラーや模様によって育て方が異なる ■葉の先端が華やかなアエオニウム
アエオニウム
葉の先が広がった美しいロゼッタを成形する「アエオニウム」。冬が成長期の多肉植物ですが、日当たりの良い室内を好みます。
まだら模様や真っ黒、赤みがかったもの、葉の中央と先端で異なるカラーコントラストが楽しめるタイプなど種類も豊富。種類によって育て方の難易度が異なるので、初心者の方はお試しセットから始めるのもありです。
美しい花を咲かせる多肉植物 ■飾ればインテリアの主役になるカランコエ
カランコエ
「カランコエ」にもさまざまな形がありますが、毛に覆われた平たい葉っぱが代表的なフォルム。鉢植え花やガーデニングポットのような形で販売されていることが多いのも特徴です。
室内のインテリアプランツとして主役になるカランコエ。ほかの多肉植物とは育て方が少し異なりますが、コツさえマスターすれば初心者でも美しい花を咲かせることができます。
ユニークな見た目の多肉植物 ■脱皮をする過程が見られるリトープス
リトープス
その個性的な見た目で愛好家にも人気の高い「リトープス」。脱皮をするなど独特の成長過程が楽しめるのも特徴です。
ツルツルした質感とさまざまな模様があるリトープスは、冬に成長するタイプの多肉植物。真ん中の割れ目から小さな花が咲く姿もかわいらしいですよ。
うさぎの耳?のように見える多肉植物 ■初心者でも簡単に育てられるスターターキットも
モニラリア
うさ耳とも呼ばれる「モニラリア」は、ピースサインのような形が特徴的。初心者でも簡単に育てられる栽培キットは、ギフトとしても人気です。
冬を成長期に持つ数少ない多肉植物のひとつ。小ぶりなミニサイズながら、育てる過程を含めてインテリアとしても癒されること間違いなしですよ。
小熊の手のような形がかわいい多肉植物 ■下向きベル型の花を付けるコチレドン
コチレドン
エケベリアと同じくベンケイソウ科の「コチレドン」は、夏型種と春秋型種類がある多肉植物。大きさもいくつかあり、秋から冬にかけてベル型のかわいい花が咲きます。
ふわふわの毛に覆われていたり白い粉が付いているものなど品種もさまざま販売されています。中でも人気なのが熊童子(くまどうじ)で、プクプクした熊の手のような形が特徴です。
丈夫で初心者でも育てやすい ■グリーンネックレスの名も持つセネキオ
セネキオ
プクプクした粒状の葉が垂れ下がるように成長する「セネキオ」。グリーンネックレスとも呼ばれ、その名のとおり真珠のような連なりが美しい多肉植物です。
観葉植物としても親しまれ、丈夫で育てやすいのも人気の理由。班入り模様や桃のような形、三日月のような形の種類もあります。
小さい品種が初心者向け ■トゲトゲ状の突起がアクセントになるアロエ
アロエ ハオルチオイデス
多肉植物といえば「アロエ」を思い浮かべる方も多いはず。観賞用として初心者にも育てやすいミニサイズの種類がおすすめです。
アロエの種類の中でも極小種に入る「ハオルチオイデス」は、葉のまわりに白っぽいトゲ状の突起があるのが特徴。。夏から春にかけて咲く花も非常に小さいですが、良い香りがします。
ワイルドな多肉植物を育ててみたい方に ■数十年に一度花を咲かせるアガベ
アガベ チタノタ
「アガベ」は硬くて大ぶりの葉を伸ばす夏型の多肉植物。寒さや暑さに強く、数十年に一度花を咲かせるという点もポイントです。
数あるアガベの中で初心者におすすめの品種のひとつ「チタノタ」。美しい緑の葉のフチの黒いトゲのコントラストが特徴。ワイルドな品種を育ててみたい方にもおすすめです。
多肉植物のおしゃれな飾り方
飾る器を変えればさまざまな多肉植物アレンジが楽しめます。マグカップやガラスコップなどの食器に移し替えるだけで印象がガラリと変化。流木の中に植えるとナチュラルな雰囲気に、アンティーク調を好む方には、ブリキやジョウロに飾るのもおすすめ。流行りのテラニウムとして楽しむ人も増えています。
初心者におすすめの苔テラリウム作りに関する記事はこちら!
今日からあなたも多肉植物デビュー!
多肉植物の育て方や初心者向け基本情報をご紹介しました。インテリア性バツグンの多肉植物は、室内の観葉植物として、ベランダやお庭のちょっとしたスペースに置いて楽しめるのがメリット。はじめてでも比較的カンタンに育てられる多肉植物を趣味にして、毎日の生活に癒しと喜びを加えてみませんか。