初心者でも描ける水彩画を趣味に|そろえる道具から描き方の基本まで解説!
水彩画は、初心者でも気軽にはじめやすいアートのひとつです。今から水彩画にチャレンジしたいけど何から始めればよいか悩んでいる方に向けて、基本の道具、初心者向けの描き方や練習のコツをご紹介します。
■水彩画とは
水彩画は水に絵の具を染み込ませて描く技法。透明感と淡い色味、やさしいタッチが特徴で、花や果物、空などの自然から風景まで幅広い題材で描かれます。
■準備と片付けが簡単
水彩画は油絵などと違って特別な道具の準備が必要なく、シンプルなアイテムのみで描くことができます。パレットや紙の上の絵の具が乾いても水で溶かせば色が何度でも再生するので放置も可能。描いたあとはパレットと筆を水で洗うだけで、準備と片付けが比較的ラクちんなところも、初心者が気軽に始められる理由です。
■初心者でもはじめやすい
水彩画は学校の美術の授業などで触れたことがある人も多く、馴染みがあるのも趣味として始めやすい理由。絵の具や筆、パレットなど水彩画用の画材は100円ショップで売っているものもあり、比較的探しやすいのも魅力です。
水彩画に必要な道具の基本
水彩画をはじめるにあたって必要な道具をご紹介します。初心者がまずそろえるべき水彩画道具はミニマムが基本。画材屋に直接買いに行くのはもちろん、通販でも手軽に購入することができます。
■透明水彩絵の具
初心者におすすめなのが、発色が鮮明な透明水彩絵の具。最初は7色~10色くらいでそろえて、慣れてきたら徐々に色の種類を増やしていくのが良いでしょう。
初心者からプロまで愛用できる ■コスパとクオリティの高い絵の具セット
ターナー
透明水彩絵具 12色セット
国内老舗の画材メーカー「ターナー」。アクリルや透明水彩用など、どのタイプの絵の具も高品質でコスパも高いのが魅力です。
色のバランスと純粋さにこだわった透明水彩用絵の具の12色セットは 混色しても色が濁らず、美しい色彩が長期間持続します。初心者から美術教師まで愛用できる商品ですよ。
■筆
筆は形や太さによってタッチが異なり、塗り方や描き方によって使い分けることができます。使用頻度の高い「丸筆」、背景や広範囲箇所を塗るときに使う「平筆」、細かい部分を描ける「面相筆」、まずはこの3種類の水筆をそろえるのが基本です。各筆にもさまざまな種類があるので、慣れてきたら徐々に増やしていくのが良いでしょう。
初心者にもおすすめのロングセラー筆 ■細かい部分を描くときもコントロールしやすい
アルテージュ キャムロンプロ 620 丸筆
「アルテージュ」は日本の画材会社のオリジナル筆ブランドで、水彩画のほかアクリルや油絵にも使える使用幅の広さが魅力です。
特殊加工がされたナイロン製の「キャムロンプロ」。弾力がありシャープな書き味が特徴で、絵の具離れが良いのもロングセラーの理由です。描く際にコントロールがしやすいので初心者におすすめの筆です。
■水彩紙
水彩画の仕上がりを左右すると言っても過言ではない「紙」。水彩画専用の「水彩紙」は、丈夫で発色も良く、にじみもコントロールしやすいので初心者でも美しく描くことができます。
多量の水での描き方に適した水彩紙 ■ぼかしやにじみなどもしやすい
muse(ミューズ)
ランプライトブロック
日本製の画材会社「ミューズ」の発売するコットン100%水彩紙「ランプライト」。やや温かみのある白紙で、価格のリーズナブルさも初心者におすすめする理由です。
水を多く使う水彩画に最適なブロックタイプです。絵の具を塗りすぎた場合でも、水を足したりふき取ったりすることで調整が可能。発色が良くぼかしやにじみなどの技法に適しているのもポイントです。
■パレット
水彩、透明水彩で使うパレットの素材にはプラスチック製や陶器、アルミ製などがありますが、プラスチック製のものが軽くて使いやすいので初心者にはおすすめ。100円ショップなどで売っているものでも十分対応できます。より長く使いたいならアルミ製、絵の具の混ぜやすさを重視するなら陶器製のパレットを購入するのもありです。
学校でも使われている水彩画パレット ■ほかの絵の具と混ざりにくい加工
サクラクレパス
パレット
子供のころ学校で使っていた方も多いのではないでしょうか。サクラクレパスのプラスチック製パレットは、シンプルで使いやすい初心者向けです。
18色が並べられる折りたたみパレットは絵の具をはじきにくい特殊な加工がされているのもポイント。色を入れるツボが深くなっており、ほかのいろと混ざりにくい工夫もされています。
水彩画初心者におすすめの題材
水彩画道具をそろえたら、さっそく描いてみましょう!と言っても、何から描こう?と迷っている方のために、初心者でも描きやすい題材をご紹介します。
■花
花や植物などは、絵葉書や実術アート作品でも良く使われる題材です。グラデーションなど水彩画の特性を活かした技法で表現しやすく、初心者の方は自分の好きな花や庭に咲いている花から描いてみると良いでしょう。
■果物
リンゴやオレンジ、ナシなど静物ジャンル題材として定番の果物は、使う色の数も少なく形もシンプルなので初心者でも描きやすいでしょう。花や植物と違い、球体のものが多い果物は立体感を表現する練習にもなります。
■風景
静物より少しレベルの上がる風景画題材。初心者がいきなりプロのように仕上げるのは難しいですが、山や海、空などは比較的描きやすいと言われています。平筆の使い方の練習をするのも風景画上達のコツのひとつです。
水彩画の描き方の基本・塗り方
実際に水彩画を描くにあたって、基本の描き方・色の塗り方を解説します。透明水彩・不透明水彩にかかわらずできる方法なので練習してみてくださいね。
■下書き
水彩画の下書きは鉛筆を使うのが基本です。デッサンやスケッチ画のようにしっかり書くというよりは、あとで色を塗ることを考えながら明るい色を塗る箇所は薄めに、暗い色を塗る箇所は濃いめに書いていくのがおすすめ。余裕があれば、影を付ける部分や光加減、奥行きを意識しながら書いてみてくださいね。
■色を塗る
水彩画で色を塗るときは、基本的に明るい(薄い)色から塗っていきます。複数の絵の具を混ぜて色を作るときは、量を多めに作るのがポイントです。空や海など広範囲に使うとき途中で絵の具がなくなってしまい、再度作って色のバランスが変わってしまうのを防ぐためです。
■平塗り
平筆を使うことが多い「平塗り」は、ムラにならないよう一気に塗るのがコツです。キレイに塗るためには水の加減を調整する必要があり、はじめは小さな範囲から練習するのが良いでしょう。
■にじみ塗り
ウェットインウェットとも言われ、紙に塗った絵の具がまだ湿っているうちにさらに絵の具をにじませる描き方。色を塗ったところを伸ばしていくことでグラデーションの表現もできます。空や水辺などを描くときに使えます。
■グラデーション
にじみ塗りの表現のひとつ「グラデーション」にもいくつか種類があります。単色で表現するグラデーション、最初に薄い色を塗りその上から濃い色を塗っていく方法、複数の色を段階に応じて変えていく方法、2色を離して塗り、中央の境界をぼかす方法など、用途に合わせて使い分けるのが上手に描くコツです。
■ドライブラシ
水を多く使うのが水彩画のイメージですが、逆に筆を乾かして塗るのがドライブラシ。かすれ塗りとも言われ、岩や波など荒い質感を表現したいときに使われます。乾いた部分に絵の具を重ねることを「ウェットインドライ」と言います。
水彩画初心者向けおすすめの本
新しく始める趣味として人気の水彩画ですが、独学でマスターするのは至難の業。そこで、初心者におすすめの水彩画関連の本をご紹介します。これまでご紹介してきた道具や描き方の基本はもちろん、上達するためのさまざまなテクニックが学べる本もありますよ。
初心者でもすぐに描けるロングセラー本 ■丁寧な解説と分かりやすいイラスト
野村重存
今日から描ける はじめての水彩画
テレビ番組や美術講座などで活躍している野村重存先生の本。ひとつひとつの丁寧な解説と描き方例のイラストも豊富で、とにかくわかりやすいと評判です。
水彩画の題材別に章が分かれており、モチーフごとの描き分け方なども解説。絵を描いたことのない初心者でもすぐに始められるとの評判も高く、すぐに描きたい方におすすめのロングセラー本です。
透明水彩初心者の入門書 ■これ一冊で水彩画の世界がわかる
上田耕造
イチバン親切な水彩画の教科書
超初心者向けの本を探している方には「イチバン親切な水彩画の教科書」がおすすめ。情報量が豊富で水彩画・透明水彩のマニュアルとも言える一冊です。
幅広い題材を通して、さまざまな描き方の練習ができる構成になっているのもポイント。テクニック以外の知識も解説されているので、水彩画の深い世界が学べるでしょう。
写真のようにリアルな水彩画を描きたい方に ■最低限の画材ですぐはじめられる
アンナ・メイソン
透明水彩で描く 世界でいちばん美しい細密画
イギリスの水彩画家「アンナ・メイソン」さん著の本。世界各地で美術講師として活躍するほか、オンライン講座なども展開している人気アーティストです。
写真のようなリアルで繊細な水彩画を描く技、表現の仕方など、たった5つのレッスンでお手本を見ながら練習できます。特別なツールは必要なく、最低限の画材ですぐはじめられるのも魅力ですね。
アートの趣味を取り入れて人生を豊かに!
アートがある生活は、心にゆとりが持てるとともに人生も豊かにしてくれます。手軽にはじめられる水彩画を趣味にして、あなたの新しい芸術センスを開花させてみませんか。