シニア向けの杖の選び方や種類・使うメリットを解説!折りたたみやおしゃれな杖もご紹介
歩行に安定感をもたらしてくれる杖。足腰に不安のある方をしっかりサポートしてくれる杖にはさまざまな種類が存在します。本記事では、杖を使うメリットや種類、選び方のポイントについて解説。折りたたみやおしゃれな杖もご紹介するので詳しく知りたい方は参考にしてくださいね。
杖を使うメリット
杖は使うことで「歩行のサポート」「足腰の負担軽減」「転倒リスクの軽減」といったメリットが得られます。それぞれ役割を解説するので、杖の使用をお考えの方は確認してくださいね。
■歩行をサポートしてくれる
歩行をサポートしてくれる点は杖を使う大きなメリットのひとつです。足腰に衰えがでている場合でも杖を使うとことで身体が支えられ、歩行の安定感もアップ。一人で上手に歩けない場合でも杖の補助があれば歩ける方もいます。
■足腰の負担軽減
杖は足腰の負担を軽減するメリットも得られます。杖を使うことで両足と合わせて3点で支えるため、使わないときよりも負担の分散が可能。腰やひざのほか、股関節への負担を改善も期待できます。
■転倒のリスク軽減
足腰が弱っているとつまづくことや段差などで転倒するリスクがあります。杖を使えば身体を支えながら歩行が可能。杖を持っていないときよりも障害物をよけたり段差を越えたりするときの動作がラクになりますよ。安心して歩けるようになることから、一人で外出して楽しむ機会が増える点もメリットのひとつです。
杖の種類
杖は「歩行補助杖」との名称でも呼ばれ、T字型杖やL字型杖(オフセット型杖)、多脚杖(多点杖)など、さまざまな種類が存在します。身体や歩行の症状に合わせて選択が可能。それぞれの特徴をご紹介するので、事前に確認してくださいね。
■T字型杖
「T字型杖」は、一本杖とも呼ばれ、杖の支柱(シャフト)にT字型をしたグリップがついているスタンダードな形状。支柱を人差し指と中指に挟んで使用します。形状がシンプルで軽量な商品が多いため、気軽に扱える点がメリット。伸縮式や折りたたみ式など種類も豊富です。杖がない状態でも自力で歩行できる人向けで、握力が弱い方や手に痛みのある方には不向きです。
■L字型杖(オフセット型杖)
「L字型杖(オフセット型杖)」は、グリップを握る際に指で挟む必要のない形状の杖です。T字型杖と同じような形状をした商品もありますが、地面に接する点が複数の「多脚杖(多点杖)」のグリップとしても使われています。多脚杖は、T字型杖と比べて、支える点が多いため安定性が高いのが特徴。T字型杖では不安定な方や背骨が曲がっている方、筋力が低下している方などの利用に向いています。地面に接する面が多いため、段差の多い場所よりも平らな場所での使用に適した商品です。
■ロフストランドクラッチ
「ロフストランドクラッチ」は、腕を固定する「カフ」と呼ばれる輪っかに手を通したのちにグリップを握る形状の杖です。グリップに加えてカフもあるため安定性が高く、歩行の際のサポート力も高い点が特徴。握力の弱い方や手に痛みがある方、麻痺のある方でも利用できます。カフは「U字型」と「O字型」の2種類。U字型は腕を通しやすいですが、しっかり固定できるほうがいい方にはO字型がおすすめです。
■松葉杖
「松葉杖」は、骨折をしたときに使うイメージをもつ方が多いかもしれません。脇あてを挟んでグリップを握るため、安定性が高く重い体重もしっかりと支えます。2本1組で使用し、アルミ製や木製など種類はさまざま。足を怪我したとき以外にも股関節症や下半身に麻痺のある方に適しています。
杖の選び方のポイント
杖は種類のほか用途や耐久性などで選ぶことができます。最適な杖が選べるよう事前にポイントを確認してくださいね。
■用途に合わせて選ぶ
先述のとおり杖にはさまざまな種類があります。筋力が低下している方は「多脚杖」、手に痛みのある方は「ロフストランドクラッチ」など、身体の状態に合った商品を選ぶことが重要。多脚杖を求める方は平らな場所で使うことを前提に購入するなど、使用する環境も考慮して選択しましょう。T字型杖の場合、折りたたみ式であればバッグなどに入れて持ち運ぶことができて便利。杖選びで不明な点がある方はリハビリの専門家や福祉用具専門相談員などにアドバイスをもらって選んでもよいでしょう。
■身長に合わせて選ぶ
杖は身長に合ったものでないと歩行が不安定になり危険です。もっともスタンダードなT字型杖の場合、手を下した状態のときにグリップが手首付近にあるのが適切な位置。杖の理想的な長さは「身長÷2+3」の計算式でも算出できます。例えば150cmの方の場合、78cmが理想的な杖の長さ。身長に合うか不安な方は高さ調節が可能な伸縮式の杖を選びましょう。
■耐久性で選ぶ
杖は耐久性も重要な要素です。軽量な商品は魅力的ですが、耐久性に欠ける杖もあるため注意が必要。一方で頑丈な杖は重くて扱いづらいデメリットがあり、使う際に疲れてしまう可能性もあります。耐久性とともに軽量な杖であるかも確認しましょう。
■グリップの握りやすさで選ぶ
グリップが握りやすい杖であるのかも重要です。滑りにくいグリップで、手にフィットする杖がおすすめ。グリップは購入後でも取り換えることが可能なので、違和感があれば交換も検討しましょう。
杖を使った歩き方と注意点
杖をはじめて使う方は歩き方や使用方法に注意が必要。T字型杖やL字型杖(オフセット型杖)などを使って歩く場合は、身体に痛みのないほうの手で持ち、杖を先に前に出した後で、痛みのあるほうの足を前に出して進みます。使い方が正しくないと身体に負担がかかる可能性もあるため、安全な方法で使用しましょう。
杖を利用したい場合は?
杖を利用したい場合は、購入のほかレンタルで使うこともできます。要介護認定を受けている場合、福祉用具のレンタルとして介護保険サービスの利用が可能。所得によって変わりますが、多い方で2~3割負担、一般的な方の場合は1割負担でレンタルできます。購入したい場合は、介護用品専門店や通販などでお買い求めいただけます。
[種類別]おすすめの杖6選
杖の利用を検討している方におすすめの商品を6つご紹介します。T字型杖やL字型杖(オフセット型杖)、ロフストランドクラッチなどのなかから厳選。折りたたみやおしゃれな杖もあるので目的や好みに合わせて選択してくださいね。
おすすめの杖1 ■伸縮可能で軽量なT字型杖
幸和製作所(TacaoF)
伸縮ステッキ
幸和製作所(TacaoF)の伸縮可能なT字型杖。71.5cmから94cmの間で10ポジションに高さ調節できるので、身長に合わせてご利用いただけますよ。
グリップから手を放しても安心のストラップ付きの商品。250gと軽量のアルミ製で扱いやすくなっています。頑丈さも重視したシンプルなデザインの杖が欲しい方におすすめです。
おすすめの杖2 ■市松柄がおしゃれな折りたたみ式
フジホーム
ステッキかるがも 市松
フジホーム「ステッキかるがも」は、T字型杖の折りたたみ式の商品。約140cm~160cmの身長の方に対応しています。伸縮によって5段階調節も可能。
先端のゴムが接地面に合わせて動くので、斜めから突いても安定感を維持したまま歩行できます。市松柄がおしゃれな杖は、重量290gと軽量なので持ち運んで使う際にも便利ですよ。
おすすめの杖3 ■カラフルなデザインが魅力のオフセット型
NOVA
オフセット型杖
アメリカのNOVAデザインが製造する握りやすさが魅力のオフセット型の杖。高さは76cmから100cmの間で調節が可能です。
さまざまなデザインがあるのでお好みに合わせて選べる点も魅力。グリップ部分にストラップがついていて、手を入れて持てば杖の落下を防げますよ。カジュアルに使える杖を求める方におすすめです。
おすすめの杖4 ■しっかり歩行をサポートしてくれる多脚杖
幸和製作所(TacaoF)
多脚杖
オフセット型の多脚杖は4点で支えるため歩行をしっかりとサポートしてくれます。座った状態から立ち上がる際に体重をかけられる点も魅力。一本杖では不安な方や筋力が低下している方などにおすすめです。
65.5cm~88cmのあいだで10段階の高さ調節が可能。身長に合わせてお使いただけます。幅広のグリップで握りやすさも考えられた商品です。
おすすめの杖5 ■腕をしっかり固定できるロフストランドクラッチ杖
OPO
ドットクラッチ レギュラー
イタリアのメーカー・OPOのロフストランドクラッチ杖です。145cm~190cmの身長に対応できる商品。66cm~96cmの間で2cmごとに高さ調節が可能です。
腕をしっかりと固定できるO字型のカフと握りやすさを考慮したグリップにより安定した歩行が目指せます。女性も男性も使える色合いがおしゃれな品ですよ。
おすすめの杖6 ■脱着しやすいU字型のロフストランドクラッチ杖
ファミカ(Famica)
ロフストランドクラッチ
ファミカのロフストランドクラッチ杖はワンタッチで折りたたみが可能な丈夫なアルミ製の品。77cm~95cmまでの8段階の高さ調節ができ、未使用時には約57cmまでコンパクトになります。身長150cm~185cmまでの方が使用できる品。
グリップには暗い夜道でも安心の反射素材がついています。杖先のゴムは地面をしっかりグリップする仕様。U字型のカフなので脱着も簡単に行えますよ。