シルバーカーと歩行器との違いは?歩行用品の種類や選び方のポイント・商品も紹介
シルバーカーや歩行器は、どちらも歩行を補助してくれるアイテムですが使用目的が異なります。本記事では、シルバーカーと歩行器のどちらを購入すればいいのかわからない方に向けて違いを解説。それぞれの商品の種類や選び方のポイント、おすすめのアイテムもご紹介するの購入を検討している方は参考にしてくださいね。
シルバーカーと歩行器との違い
シルバーカーと歩行器は特徴や形状に違いがあります。事前に違いをしっかりと確認しておきましょう。
■シルバーカーの特徴
シルバーカーは手押し車とも呼ばれ、自力で歩ける方の歩行をサポートする福祉用具。足腰や歩行に不安を感じた方が、買い物や散歩などの外出時に使用することで、スムーズな歩行が可能になります。ものを入れて運ぶ機能や、疲れた際に座って休める機能の付いた商品が多い点も特徴。シルバーカーは「福祉用具」になるため、介護保険を利用できません。そのため、必要な場合は自費で購入する必要があります。
■歩行器の特徴
歩行器は安定した歩行を補助する役割のアイテムです。使うことで歩行時に崩しやすいバランスを安定させることが可能。シルバーカーとのもっとも大きな違いは、介護保険を利用できる点です。要介護認定を受けている場合、レンタルする際にかかる費用の1割~3割程度と安い料金負担で利用できます。
シルバーカーの種類
歩行補助具のシルバーカーは大きく分けて4つの種類があります。コンパクトで軽量なタイプから安定性重視のものまでさまざま。それぞれの種類の特徴を事前に確認し、利用シーンに合ったシルバーカーを選んでくださいね。
■コンパクトタイプ
「コンパクトタイプ」のシルバーカーは、軽量な作りになっているため持ち運びやすい点がメリット。段差がある場所でも持ち上げやすいため、バスや電車などを利用する際や外出の際におすすめですよ。コンパクトな分、収納できるスペースは少ないため、買い物などで多くの荷物を持ち運びたい方には向いていません。
■ミドルタイプ
「ミドルタイプ」は、軽量で安定感がありながらも、収納スペースを確保している点が特徴です。コンパクトサイズよりも収納スペースが多いほうが好みの場合にはミドルタイプがおすすめ。買い物や散歩の際の利用に適したサイズ感のシルバーカーですよ。
■ボックスタイプ
「ボックスタイプ」は大きな車輪のついた商品が多く、安定感に優れています。本体の幅も広いため収納も大容量を確保。ボックスタイプは、腰をかけられる仕様になっていて、疲れた際やお話しするときに便利です。ひじ掛けが設置されているタイプは立ち座りがラク。重量が重いため、シルバーカーを持ち上げる機会の多いバスや電車の利用などには向いていません。
■アルミワゴンタイプ
アルミワゴンタイプは、荷物を入れる収納スペースを確保したアルミ製の商品。ボックスタイプより軽量なアイテムも作られています。ショッピングカーのように使える点がメリット。シルバーカーっぽくないデザインを求める方にもおすすめです。
シルバーカーの選び方とポイント
シルバーカーを選ぶ際には、種類のほか「用途」「ハンドルの高さ」「キャスターの種類」「キャスターの仕様」も確認して検討しましょう。最適なシルバーカーを選択できるよう選び方のポイントについてご紹介します。
■用途で選ぶ
シルバーカーの種類にも関係しますが、どのような用途やシーンで使いたいのかを考えて選ぶことが大切です。シルバーカーは軽量なものから重たいものまでさまざま。バスや電車などを利用して外出をする方には持ち運びやすさを優先させたコンパクトで軽量なタイプがおすすめです。近所への買い物の際に利用したい場合は、安定感があり大容量のボックスタイプが最適。座れる座面がついていれば休憩もできますよ。
■ハンドルの高さで選ぶ
シルバーカーはハンドルの高さが合っていないと操作しづらくなります。高さの目安は、「ご自身の身長÷2+5~15cm」が理想。例えば身長が150cmの方の場合、「150÷2+5~15cm」で、80cm~90cmのハンドルの高さの商品であれば操作しやすいです。適切な高さであれば、ブレーキ操作もしやすく歩行も安定。ハンドル位置が高すぎると腕や肘に負担がかかり、低すぎると腰に負担がかかるため、注意して選びましょう。
■キャスターの種類で選ぶ
シルバーカーのキャスターは「シングル」と「ダブル」の2種類が存在します。シングルは軽量モデルに搭載されていることが多く、ダブルは安定感があり、歩道の溝や穴などに落ちづらい点がメリットです。
■キャスターの仕様で選ぶ
キャスターは固定されているものと自由に動くフリータイプが存在。固定のものは直進しやすく、ハンドルをとられず真っ直ぐ進みやすくなっていますよ。そのほか左右に首振りできるキャスターがついた商品や360度フリーで回転するものがあり、小回りが利きやすい点がメリットです。
[タイプ別]シルバーカー4選
シルバーカーをタイプ別にご紹介します。「コンパクトタイプ」「ミドルタイプ」「ボックスタイプ」「アルミワゴンタイプ」の4つの種類のなかからおすすめの品を厳選しました。
コンパクトタイプのシルバーカー ■操作しやすいU字ハンドルタイプ
島製作所
テノールEVO
島製作所の「テノールEVO」は、クロコダイル調の座面がおしゃれなコンパクトタイプのシルバーカーです。操作が行いやすい「U字ハンドル」で歩行をしっかりサポートしてくれますよ。
杖立ても付いているので、普段使っている人には便利。片方のブレーキを操作するだけで、両後輪にブレーキが効くので、扱いやすいです。折りたたんで小さくすることも可能。安定感のあるダブルキャリーの商品です。
ミドルタイプのシルバーカー ■北欧風のテキスタイルがおしゃれ
幸和製作所
TacaoF(テイコブ)ルーティ2
幸和製作所が製造するミドルタイプの「TacaoF ルーティ2」は、大容量の収納スペースがついた座れるシルバーカーです。北欧風のテキスタイルがおしゃれな品。
ハンドルは調節できるため、一番押しやすい高さに合わせて使えます。座面はふかふかで長期間座っても痛くなりづらい仕様。前輪はダブルキャスターなので安定した歩行が可能ですよ。重量は約4.8kgと軽量な点が魅力です。
ボックスタイプのシルバーカー ■大容量の収納スペースとゆったり座れる座面付き
幸和製作所
TacaoF(テイコブ)エヴォーク
幸和製作所の「TacaoF エヴォーク」は、ボックスタイプのシルバーカーです。奥行きがあるのでゆったりと座ることができ、ひじ掛けもついてる商品。キャリーは、直進のほか、左右45度と360度の3通りの使い方ができるので歩行の際に便利ですよ。
ハンドル部分は5つのポジションに高さを調節可能。収納スペースの容量は24リットルで、最大12kgの荷物を運ぶことができます。重量は約5.8kgで使わないときには折りたたんでコンパクトにできる商品です。
アルミワゴンタイプのシルバーカー ■ショッピングに最適なカゴのせ機能付き
株式会社マキテック
オアシスワゴン HM-W1
マキテックの「オアシスワゴン」は、歩行がしやすいU字ハンドルのアルミワゴンタイプのシルバーカーです。スーパーなどで利用するカゴをのせられる機能が付いたショッピングに最適な仕様。
ダブルキャリーなので走行時にも安定感があります。ハンドルの高さは4段階に調節可能。座面も付いているので、疲れた際に休憩もできるアイテムですよ。
歩行器の種類
歩行器には大きく分けて4つの種類があります。「固定型」「交互式」「キャスター付き」「立ち上がり機能付き」と、それぞれの種類によって特徴が異なるため、事前に確認し、利用シーンに合った歩行器を選んでくださいね。
■固定型歩行器
「固定型歩行器」は、持ち上げ型とも呼ばれ、歩行器を両手で持ち上げて前方に運んで進むタイプの商品です。軽量なものが多く、持ち上げやすくなっているので、階段や段差などの昇降も可能。持ち上げなければ進めないため、上半身に筋力がある人に向いています。移動の速度は遅く、屋外よりも屋内での使用に向いているタイプ。下肢の筋力が低下している方や痛みがある方、杖での歩行が不安定な方に適しています。収納に便利な折りたたんで収納できるアイテムもありますが、折りたためない商品よりも重くなっていることがほとんどです。
■交互式歩行器
「交互式歩行器」は、固定型の歩行器と構造は似ていますが、左右を交互に動かすことが可能なタイプ。ハンドルを持ち、手を前後に振ることで、左右のフレームを前方へと動かして前に進みます。固定型よりも歩行の際にバランスが必要になりますが、持ち上げないため、安定性が高い点がメリット。交互式は固定型の歩行器を使うときよりも早く歩くことができますよ。身体がスムーズに動かせない方の使用は向いていませんが、固定型歩行器を持ち上げる筋力のない方や片足に痛みのある方に適しています。
■キャスター付き歩行器
「キャスター付き歩行器」は、歩行器の脚先にキャスターが付いたタイプの商品。固定型や交互式の歩行器よりも方向転換や移動する際の力が少なくてすむ点が特徴です。腕力の弱い方でも利用できる点がメリット。キャスター付きは、前方・後方に車輪がつくタイプと前方だけに車輪がつくタイプの2種類。どちらの商品も、後方にストッパーがあり、体重をかけると止まります。
■立ち上がり歩行器
「立ち上がり歩行器」は、固定型歩行器と形は似ていますが、座った状態から立ち上がりやすいように、グリップが二段式になっているタイプの商品です。膝をついた状態や椅子から立ち上がる際に便利。立ち上がった後は、固定型と同じように両手で持ち上げて使用しますよ。
歩行器の選び方とポイント
歩行器は現在の身体の状態や用途に合った種類を選ぶことが重要です。また、持ち手となるハンドルの高さも確認して選ぶことをおすすめします。最適な歩行器を選択できるよう選び方のポイントについてご紹介します。
■身体の状態や用途に合わせて選ぶ
歩行器は身体の状態や用途に合わせて選択することが大切です。下肢の筋力が低下している方のなかで上半身に筋力がある方は「固定型歩行器」が使用可能。歩行器を持ち上げる筋力のない方は「交互式歩行器」や「キャスター付き歩行器」を検討しましょう。
■高さで選ぶ
歩行器はハンドルの高さも確認して使いやすいものを選択しましょう。歩行器のハンドルの高さは、腕をおろしたときに手と手首の境目付近にあるのが目安。高すぎたり低すぎたりすると歩きづらいことや転倒する恐れもあります。購入する際には、高さ調節が可能な商品がおすすめ。細かな調節が可能な商品であればぴったりの高さで使用できます。
[タイプ別]歩行器5選
歩行器をタイプ別にご紹介します。「固定型」「交互式」「キャスター付き(前輪タイプ)」「キャスター付き(前輪・後輪タイプ)」「立ち上がり機能付き」の5つの種類のなかからおすすめの品を厳選しました。
固定型歩行器 ■身体に負担をかけない超軽量タイプ
田辺プレス
歩行器 MgウォーカーIII型(3型)
田辺プレスの固定型歩行器「MgウォーカーIII型(3型)」は、マグネシウム合金製の超軽量タイプ。SサイズとMサイズがあり、Sの重量は約1.45kg、Mは約1.55kgと身体に負担のかからない驚きの軽さを実現したモデルです。
1cmごとに12段階の高さ調整が可能。ご自身の身長に合わせたぴったりの高さで使用できますよ。折りたたむことで平らにでき、省スペースで収納可能。持ち手となるグリップに特殊な塗装を施した滑りにくい仕様の歩行器です。
交互式歩行器 ■背の高い方でも使いやすいハイタイプの歩行器
イーストアイ
交互式歩行器
イーストアイの交互式歩行器は、背の高い方でも使いやすいハイタイプの商品。グリップの高さは2.5cmごとに5段階調節が可能です。日本人の体型に合わせたコンパクトタイプで使い勝手の良さが魅力。
床から立ち上がる際に手で掴めるグリップがついた商品です。グリップは握りやすさを重視した合成ゴム製。ドライバーを使って簡単に交換できます。折りたたみができるので、収納や持ち運びにも便利な歩行器ですよ。
キャスター付き歩行器(前輪タイプ) ■直進と360度回転式から選択して歩行可能
ユーバ産業
スライドフィットEX ミニタイプ M-0293ST
ユーバ産業の「スライドフィットEX ミニタイプ」は、前輪にキャスターがついた2輪の歩行器です。前輪は、直進と360度に回転するキャスターに使い分けができる2WAY構造を採用。
ハンドルの高さは5段階に調節でき、横幅も3段階調節ができるアイテムです。グリップは手にやさしいソフト仕様で簡単に交換が可能。幅調節はワンタッチで行えるなど、便利なキャスター付き歩行器ですよ。
キャスター付き歩行器(前輪・後輪タイプ) ■安定性を重視した6輪タイプの歩行器
イーストアイ
セーフティーアームウォーカー Gタイプ
イーストアイの「セーフティーアームウォーカー Gタイプ」は、前後に6つの車輪を使用したキャスター付き歩行器です。後輪はダブルキャスターになっている安定感のあるアイテム。キャスターの幅が広いので溝や穴にはまりにくい作りになっていますよ。
高さは5段階に調節可能。上段と下段にグリップがあり、下段は床から立ち上がる際に掴める便利な仕様です。
立ち上がり歩行器 ■安定性の高いコンパクトタイプ
アクションジャパン
立ち上がり歩行器コンパクトタイプ
アクションジャパンの「立ち上がり歩行器コンパクトタイプ」は、二か所にグリップがついた椅子や床から立ち上がる際に便利なアイテムです。グリップは柔らかく手に馴染んで握りやすい「PVCラバー」を使用。
身長に合わせた6段階の高さ調節が可能です。ボタンひとつで折りたたみが簡単にでき、10cmほどの薄さになるので収納時にも場所を取りません。重量は2.7kgと軽めに作られた商品。固定型と同じように持ち上げて使ってくださいね。