ミニ盆栽の作り方&育て方|初心者でも簡単に育てられるミニ盆栽6選も!
日本で古くから親しまれてきた「盆栽」は、海外や若い人の間でも人気が高まっています。そんな盆栽を小さいサイズにアレンジしたのが「ミニ盆栽」。初心者でも簡単に始められることから、趣味にする人も増えています。この記事では、これからミニ盆栽を始めたい方へ向けて、作り方や育て方の基本を解説します。
ミニ盆栽とは
小さな空間の中にオリジナルの自然世界を表現する「盆栽」。通常の大きさの「大品盆栽」、中くらいの「中品盆栽」、小さいサイズの「小品盆栽」と、その大きさによって種類分けされます。今回は、小品盆栽の中でも特に小さい盆栽「ミニ盆栽」に焦点を当てます。ミニ盆栽は和風だけでなく洋風のインテリアにもマッチし、ベランダや窓際などちょっとしたスペースに気軽に置くことができます。また、通常の盆栽と比べて育て方が簡単なこと、手の届きやすい価格帯なのも人気の理由です。
ミニ盆栽の植物の種類
ミニ盆栽のカテゴリは、大きく3種類に分けることができます。育てる素材・植物を選ぶときの参考にしてみてくださいね。
・松柏(しょうはく)盆栽
盆栽と言えば松を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。黒松や五葉松などは、丈夫で育てるのが簡単なので初心者にもおすすめです。
・葉もの盆栽
花を付けないカエデやもみじなど、葉の形や色の変化が楽しめるのが特徴。日本の四季の美しさが感じられるでしょう。
・花もの盆栽
その名の通り花が咲く盆栽です。桜や梅など日本の花のほか、外国品種の花のミニ盆栽も育てることができます。
ミニ盆栽の作り方
ミニ盆栽作りをはじめるにあたって、そろえる道具や作り方を解説します。自分の好きな植物を正しく育てるための参考にしてみてくださいね。
■ミニ盆栽の作り方:準備するもの
ミニ盆栽作りに欠かせない基本の道具をご紹介します。
・苗木
育てたい植物の苗木を選びましょう。初心者におすすめなのは、平地でも育てやすいもみじ、カエデ、松などです。
・鉢
通気性の良い「仕立て鉢」を選ぶのがおすすめ。浅いと苗木が安定しにくいため、5cm以上の深さがある鉢が使いやすいです。デザインや形も種類があるので、自分の作りたい世界をイメージしながら選ぶと良いでしょう。
・用土
ミニ盆栽の植物を育てるにあたって欠かせない土は、盆栽専用土や赤玉土を選ぶのがおすすめです。
・鉢底ネット
鉢穴から土がこぼれるのを防ぐため、鉢底に敷いて使います。鉢の底穴のサイズにカットして準備します。
・針金
針穴に通して鉢底ネットを固定するための道具です。
・ハサミ
根や枝の太い部分を切る盆栽ばさみ、葉っぱや細い枝を切る剪定ばさみ、2種類のハサミを用意することをおすすめします。
■ミニ盆栽の苗木
ミニ盆栽用の苗木には2種類あり、切り取った枝などを土に挿して発根させる「挿し木」、もうひとつは「実生」と呼ばれる種から育てる方法です。挿し木や実生は、1か月~1年ほどたってから苗木として使えるようになります。いくつかの苗木を育てて、好きなものをミニ盆栽にするのもありです。
■作り方①鉢底ネットの準備
鉢の底面の穴にネットを敷いて鉢の準備をします。U字にした針金のピンをネットに通し、鉢穴から出し、鉢とネットを固定します。鉢の裏側から2本の針金を通し、鉢の底面のフチにかけておきましょう。こうすることで、鉢穴から用土がこぼれるのを防ぎます。
■作り方②苗木の準備
ミニ盆栽は、成長してから幹の形を決めることができ、初心者には、基本的な形状の「直幹」にするのがおすすめ。苗木の根元に一方の針金をくるくると巻いて固定させ、もう一方の針金の先を鉢の底穴から出しておくと、のちに苗木を好きな形に曲げることが可能です。
■作り方③鉢に土を入れる
ミニ盆栽の用土は、鉢の1/3ほどまで入れて苗木を置き、残りの用土を苗木の株元に向かってかぶせるように入れるのがコツ。指で軽く土を抑えながら作業すると苗木が安定します。仕上げに水をたっぷり与えて完成です。
ミニ盆栽の育て方のポイント
丹精込めて作ったミニ盆栽の苗木は、長く鑑賞したいものですよね。育て方のポイントを解説するので、あなたの大切な作品を少しでも長い時間可愛がってあげてくださいね。
■水やり
ミニ盆栽の用土の量はほかの園芸植物に比べて少ないため、乾きやすいという特徴があります。そのため、ミニ盆栽の水やりの回数は季節によって異なります。
春・秋は1日1~2回ほどを目安に、夏は乾燥しやすいので1日に2〜3回のペースで、土が乾くごとにたっぷり水やりをしましょう。冬は毎日あげる必要はなく、2~3日に1回、日中の暖かい時間帯にあげるくらいで十分です。長期間留守にする場合は、自動水やり機を活用するなど枯れないための工夫をすることをおすすめします。
■肥料
ミニ盆栽に肥料を与えるタイミングは特に決まっていませんが、成長期である春や秋が良いでしょう。ミニ盆栽用の肥料は、園芸ショップなどで購入することができます。
■剪定
ミニ盆栽にとって大切なのが、見た目を美しく整える「剪定」作業。全体のバランスを見ながら長すぎる枝や重なっている枝、上下に飛び出している枝を暫定ばさみで切ってください。枝と枝が交わらないように剪定するのがポイントで。定期的にチェックしてあげましょう。
■植え替え
ミニ盆栽はコンパクトサイズなので、根詰まりしやすいという特徴があります。健康に保つためにも、定期的な植え替えが必要です。植え替えのタイミングは植える植物の種類にもよりますが、成長が早いものは2~3年に一回、遅いものは3~4年に一回を目安にするとよいでしょう。成長期の春や秋ごろに行うのがベストです。
■初心者には苔玉ミニ盆栽もおすすめ
植木鉢ではなく、苔玉で作る「苔玉ミニ盆栽」も人気があります。ケト土と赤玉土を使うのが一般的な苔玉の作り方ですが、初心者には、お手入れが簡単な「ミズゴケ」を使った苔玉がおすすめ。テニスボールサイズにした苔玉で苗木を埋めるように置き、周りに苔を貼り付けます。それを鉢底ネットの上に置けば完成。1~2年に1回くらい植え替えをすると良いでしょう。
初心者におすすめのミニ盆栽6選
初心者でも簡単に育てられる盆栽をピックアップしてご紹介します。松柏(しょうはく)盆栽、花もの盆栽、実もの盆栽、雑木盆栽、苔玉盆栽など幅広いカテゴリの中から、お好みのミニ盆栽を見つけて下さいね。
高級品質のミニ盆栽・もみじ ■1年通して紅葉の美しさが楽しめる
ミニ盆栽 もみじ
「もみじ」は枯れにくく育てやすいので初心者にもおすすめ。盆栽ランキングでも1位になった、特選もみじのミニ盆栽です。
春には真っ赤な新芽、夏は美しい緑、秋は紅葉と、本物のもみじの木と同様に四季折々の姿が楽しめます。鉢の色と装飾が選べるのも魅力。敬老の日などの贈り物にもぴったりですよ。
四国・高松から直送されるミニ盆栽 ■職人によって育てられたミニ黒松
ミニ盆栽 黒松
通常の盆栽でも定番の常緑針葉樹のひとつ「黒松」を小さな盆栽でも。成長が早く丈夫なので初心者にも育てやすいです。
盆栽の生産地・高松で盆栽職人によって仕立てられたミニ黒松。育て方の手順書と肥料も付いており、水やりのタイミングなども分かります。窓際やキッチンカウンターに置いてもおしゃれですよ。
縁起物のミニ盆栽・南天 ■成長過程をもっと楽しみたい方にも
ミニ盆栽 苔玉 南天
育てる過程をもっと楽しみたいなら、実を付ける盆栽がおすすめ。暑さや寒さの温度差に強く、病気にもなりにくい南天は初心者にもぴったりです。
もみじのように落葉しないので葉の色の変化が一年中楽しめるのも魅力。「難を転ずる」とも言われ縁起物としても昔から親しまれてきたので、お祝いのプレゼントにも喜ばれますよ。
花びらが満開になるミニ盆栽 ■美しい桜の景色をお部屋の中で
ミニ盆栽 旭山桜
花ものミニ盆栽の中でも定番の桜は、さまざまな品種があります。早くから花を咲かせることから一才桜とも呼ばれる「旭山桜」がおすすめ。
つぼみが固いうちは寒さにしっかり当て、咲き終わったら日当たりの良いところに置きましょう。夏は美しい緑の葉っぱが、春は満開の花びらで、お部屋でのお花見が楽しめますよ。
お部屋の雰囲気が洋風になるミニ盆栽 ■花の大きさ世界最小級のバラ
ミニバラみさきミニ盆栽
洋風テイストのミニ盆栽なら、バラを選んでみてはいかが。高級なイメージのあるミニサイズのバラが楽しめますよ。
世界一小さなバラの花の1つ「みさきバラ」は、小ぶりの花がたくさん咲くのでミニ盆栽向けです。5月中旬ごろにかけてかわいらしいピンクの花が見られます。
スナゴケミニ盆栽の栽培キット ■水をかけると鮮やかな緑色に
苔盆栽 キット 苔日和
苔ミニ盆栽が栽培できるキットも通販で購入することができます。暑さにも寒さにも強く初心者にも育てやすい苔品種の「スナゴケ」は、星のようなかわいらしい形も人気です。
水をかけると乾燥した状態から緑色になり、二つの表情が楽しめます。箱に入った小さな日本庭園のようなデザインが素敵で、インテリアにも最適です。
ミニ盆栽だけでなく「超ミニ盆栽」も人気
ミニ盆栽よりもさらに小さい直径3cm以下のものを「超ミニ盆栽」と呼びます。手でつまめるほどのサイズの盆栽なのでお手入れもしやすく、女性や若い世代にも人気。インテリア雑貨感覚で好きなように飾れるのも魅力です。
作り方はミニ盆栽と同じく挿し木と実生、2つの採取方法。挿し木の素材には雑木類、実生の素材にはどんぐりなど実のなる種子が採取しやすいです。
ミニ盆栽を趣味にして毎日の生活に彩りを
ミニ盆栽の基本情報、作り方や育て方をご紹介しました。小さくてかわいいミニ盆栽の魅力が伝わりましたでしょうか。異なる種類の植物や素材とお好みの器を組み合わせるのも楽しいですね。心を込めて育てたミニ盆栽を愛でる時間は、今までにない充実感が味わえるかもしれません。自分のセンスで完成させた小さな自然世界、ミニ盆栽をあなたの新しい趣味にしてみませんか。