「今の教室に通い始めるまで、1、2年のブランクがありました。久しぶりに土に触れると気持ちが落ち着いて、無になることができる。そういうことにあらためて気づくことができました。作った器には自分の気持ちが反映されるのも面白いですね。焦りがあると、割れてしまったりするんです」
■自分で考え創り出した作品を贈る喜び
佐藤さんは作った器を、子供や友人にプレゼントすることが多いそう。
「先日、友人から10年くらい前に贈った器を今も使っていると言われて感激しました。それにお家に遊びに行ったときに、私が作った花瓶に花が飾ってあったりするのを見るとやっぱり嬉しいですね。息子も外食に行ったときに気に入った器を見つけると、写真を撮って『こういう器を作って』とリクエストしてくれます」
佐藤さんが作った器を実際に見せてもらうと、まるでお店で販売しているような出来上がり。販売することを勧められることも多いそうだが、佐藤さんは首を振る。
「売るために作るよりも、誰かにあげて喜んでもらえたほうが私にとっては価値があることです。最近は、器を作ったときに余った土でネックレスを作っています。そういう風に自分で色々考えて作るのが楽しいですね」
自身の生活も器を作り始めたことで、彩が増えたそう。
「花瓶を作るのが好きなので、花をよく飾るようになりました。大げさな花ではなくて、野に咲いている花を摘んで飾っています」
最後に佐藤さんは、「思いついたものを作ってみたり、思ってもいないものができたり陶芸って面白ですよ」と陶芸の醍醐味を教えてくれた。