財産分けで最優先されるのは「遺言書」です
鴛家は本当に「仲良し家族」だったのに、ショックだよな。ご主人は、遺言書を書いてなかったのか?
そうみたい。奥さんを亡くした後、認知症を発症して結局、書けなかったそうよ。うちも早く準備しないといけないわね。
ただ、うちは大した遺産はないからね。
そんなことはありませんよ。「大した遺産がない」と言う家庭ほど、遺産相続でもめる傾向があります。下の円グラフでは、裁判になった遺産分割案件のうち、75%超が5,000万円以下です。資産がある家庭は、遺言書を準備するなどして、事前にトラブルを回避しています。
そうなんだ。確かに「金持ち喧嘩(けんか)せず」って言うよね。
うちも遺言書を準備しましょう。白浜さん、教えてください。
■白浜FPのアドバイス 元気なうちに遺言書の作成を
相続のトラブルを防ぐには、生前の準備が大切です。日頃から家族間で相続について話し合う機会を持ちましょう。認知症になってからでは手遅れです。
遺言書には「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」があります。トラブルを避け、確実に財産を継承するためには、公証役場で公証人に作成してもらう「公正証書遺言」がお勧めです。自筆証書遺言は、自分で作成することから、内容の不備が起こりやすく、遺言書として認められないこともあります。
日本における認知症患者の将来推移
※厚生労働省 認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の資料より
遺産分割事件数の遺産価額別割合
家庭裁判所に調停・審判申し出された事案のうち約4分の3が5,000万円以下の遺産価格
※司法統計年報より
くわしくは、お近くの福岡銀行の窓口へお気軽にお尋ねください。
イラスト
まき りえこ
福岡市在住の漫画家・コミックエッセイスト
近著に「実家が放してくれません(集英社)」
白浜 仁子
(しらはま ともこ)
fpフェアリンク株式会社代表取締役
福岡市中央区今泉2丁目1-35 アプリーレ今泉703
TEL 092-753-9828
オーエン×ぐらんざサポーター ~私たちは、皆さまの豊かな資産づくりを応援しています!~
2024年4月号のテーマは「新生活とお金」です。