断捨離を決行した!
会社の大先輩が亡くなり、7歳違いの後輩の訃報にも突然接した。ふと思い立ち、断捨離をすることにした。引っ越し業者さんを転勤のたびにうんざりさせていた大量の蔵書(一度家の床が抜けそうになった)や自転車(主に競争用に使うロードバイク)にはまり、何台も所有しパーツをとっかえひっかえした。
友人に進呈したものもあれば、息子に譲ったものもあるが、家にはあと2台とおびただしいほどの自転車用のパーツが残っている。これらも「アプリで売らずに持ってきてぇー」のテレビCMに逆らうわけではないが、今回はフリマアプリで売ることにした。
フリマアプリをスマホにインストールして、個人情報を登録。さらに売りたい商品の写真と細かい傷や特徴をアップ気味に何枚も撮影する。そして、商品説明を打ち込み出品するのである。カミさんや息子はベテランの域に達しているが、私はまったくの初心者。
「汚れやほこりを取って!」とか「写真は商品の細かい所までわかるように撮らなきゃ」などの、細かい注意を受けながらフリマサイトにアップしてみた。すると、瞬く間に出品したものについて評価する「いいね」がついた。それだけでも嬉しいのに2点に買い手が付き、すぐに発送した。発送手続きも初心者がすぐにできるほど簡単だった。
これなら、もっと早くしていればよかったとも思うがSNS上では商品返品などトラブル事例も散見される。それにしてもと思う。40年近く、溜め込んできた自転車のパーツの多さときたら、自分でもあきれるほどだった。グラム単位で自転車の軽量化をして車が買えるほど高価な部品を購入した結果だ。断捨離をしながら、ようやく気がついたというか悟った。自転車をいかに軽くしても、自らの体重は重いままだったことを…。
フリマアプリにアップするために夜は商品説明の文案をひねりつつ、一つ一つのパーツに別れを告げている。アップした商品の細かい点を質問する人には努めて丁寧に答える。質問内容で、この人は自転車マニアなのだろうとわかる時もある。それはそれでビジネスの真似事をしながら社会とつながりができたようで、やり甲斐も感じている。
文・写真 岡ちゃん
元西日本新聞記者。スポーツ取材などを経験し、現在ブログやユーチューブなどに趣味や遊びを投稿し人生をエンジョイするぐらんざ世代。