サヨナラでなく、あばよ!
2年間にわたり、毎月毎月好き勝手なことを書かせてもらったこのコーナーも最終回となった。かねてから挑戦したかったことだけでなく、ぐらんざスタッフの仲間からアドバイスをいただき書き続けることができた。
友人たちから「よくネタが続きますね」とからかわれたが不思議と負担ではなかった。実は「究極の餃子作りに挑む!」「いろんな酢のテイスティングに挑む!」などネタは〝渋滞〟気味だったのだが、このたび西日本新聞社を退職するため「岡ちゃん挑む!」も終わりとさせていただくことにした。
「好きなことを好きなように書いて良い」というコンセプトで始まった企画だったので、この2年間は楽しくて仕方なかった。筆者である私も年金が頼りのシニアのはしくれとして、なるべくお金がかからないことにもチャレンジし続けた。おかげで読者の皆さんから少なからず反響もあり、やりがいも感じていた。
私が書いていたことがきっかけとなり広告を出してくださったクライアントもいたし、講演依頼まで来るようになった。だから、この最終回の原稿を書きながら後ろ髪を引かれる思いもしている。一方で、米国のダグラス・マッカーサー元帥のスピーチではないが「老兵は死なず ただ消え去るのみ」の心境でシニアになった後輩たちにありがたいこの座というか月刊情報誌の連載コーナーを譲りたいとも考える。
私自身、何より動き回ることが好きで自転車やオートバイにまたがり、いつもどこかへ旅行することに挑んでいる。物持ちがよく40年近く乗ってきたオートバイの劣化が激しく、半年前にシニアでも気軽に乗ることができるスクーターを注文した。ところが、コロナ禍の影響で電子部品不足で入荷が滞り、この原稿を書いていたらやっと届くことになった。
スクーターの新車にまたがり、再び多くのチャレンジを続けたいと思っている。ぐらんざのライターは当分休むことになるが、その間に「腰だめ」をして体験を皆さんにお伝えできれば幸いだ。「サヨナラは悲しい響きだけど…」とミスチルの曲にこんな歌詞があったが、サヨナラとは書かない。いつか帰ってきそうな余韻を残していた尊敬する黒澤明監督の名作「用心棒」や「椿三十郎」のラストの台詞を引用させていただく。
読者の皆様ありがとうございました。あばよ!
文・写真 岡ちゃん
元西日本新聞記者。スポーツ取材などを経験し、現在ブログやユーチューブなどに趣味や遊びを投稿し人生をエンジョイするぐらんざ世代。