好評を博した舞台 『千と千尋の神隠し』 がカムバック
イギリスの演出家ジョン・ケアードにより2022年に舞台化された「千と千尋の神隠し」が2年の時を経てカムバックします。今回は、初の海外公演も決定! 日本では全国ツアーも行われます。博多座公演で主人公の10歳の少女・千尋を演じるのは、上白石萌音、川栄李奈、福地桃子の3人です。川栄さんと福地さんは再演にあたり開催されたオーディションで千尋役を射止めました。
「千尋役が決まった時はとても嬉しかったです。演じるにあたり緊張や少しの不安もありますが、自分の良さを出してお客さんに楽しんでもらいたいと思っています」
と話す川栄さん。一方、福地さんは
「オーディションの時は、舞台経験がなく、『未知の世界に挑戦する』という状況が、不思議な世界に飛び込んでいくときの千尋に近かったのかなと思います。嬉しくもあり、身が引き締まる思いです」
と語ってくれました。
原作の思い出 舞台版の印象
日本のみならず世界中で愛され続けている「千と千尋の神隠し」。二人とも初めての出会いは映画だったそう。
「小さいときに母と観て、千尋と一緒にあの世界に迷い込んでしまったような、不安で怖い印象がありました。それまでに感じたことのない奇妙な空気に触れたような感覚を覚えています」
と福地さん。
「スタジオジブリの作品の中で一番好き」という川栄さんは、舞台版の初演を観て、
「映画の迫力がそのまま伝わってくるようで、セットもアニメから出てきたかのように細かく再現されているので『完璧な実写版を観ている』という感覚で楽しかったです」
とその印象を語ってくれました。
感情の波が 表現された舞台
今回、二人が演じる千尋は10歳の女の子。舞台版ではずっと動きまわって、ステージ上を軽やかに走り続けます。福地さんは、体力面で心配されることもあるそうですが、
「体を使う演技に挑戦できる良い機会だと思っています。全身を使ったお芝居で観ている方へエネルギーを届けたいです」
と意気込みを語ります。
さらに川栄さんは、
「体の動きだけでなく、千尋が落ち込んでしまった時にハクが勇気づけてくれて…といったキャラクターの感情の波もしっかりと表現されていて飽きない舞台だなと感じています」
と個性的なキャラクターたちの身体性と感情の両面が見どころと話してくれました。
福岡公演に向けて
様々な出会いを経て生きる力を呼び醒ます千尋。新キャストとしてカンパニーと出会い、新たな仲間と本番に挑む川栄さんと福地さんが、どんな「千尋」を見せてくれるのか期待が高まります。
福岡公演で楽しみにしていることを尋ねると
「やっぱりご飯!」
と二人は声をそろえます。
運動量の多い本作。福岡のおいしいものをたくさん食べて、博多座での公演を元気に駆け抜けてほしいですね。