7年ぶりに帰ってきた「ブラバン少女。」
2017年、博多華丸さんの堂々たる指揮と精華女子高等学校・現役吹奏楽部の生徒たちの見事な演奏が話題となった博多座の舞台「熱血ブラバン少女。」。
「印象的だったことは語り尽くせないほどあります。生徒たちとは世代も違いますし、本当に手探りでしたが、熱意をもってやれば通じるもんだなあと思いました」
と当時を振り返る華丸さん。
その「熱血ブラバン少女。」が博多座25周年記念作品として「新生!熱血ブラバン少女。」に生まれ変わります。
特別な博多座の舞台
設定も生徒も違う全く新しい作品になる「新生!熱血ブラバン少女。」。博多座公演の出演が決まった時の心境を語ってくれました。
「人間ドックみたいな感じなんですよ。うまくいけば、『あー良かった。何事もなかった』という気持ちだし、1~2年経つと『そろそろですよね』という気持ちになります」
もともと三日坊主体質で、その時々の瞬発力で動くことが多いと語る華丸さんですが、博多座の舞台には特別な思いがあり、前もって準備をし、熱血をもって臨んでいるそうです。
「常に『これが最後』という土俵際の気持ちでやらせていただいています。もちろん負けるつもりはないですけど、それぐらいの覚悟をもってやっています」
舞台も漫才も一期一会
5回目の博多座主演になる華丸さん。
「稽古場の雰囲気には、初めての時に比べれば慣れてきていると思いますが、たとえ慣れていてもその感じは出さないで、なるだけハードルは下げて臨むスタイルです」
ユーモアを交えながら語ってくれますが、お笑いを主戦場としている華丸さんにとって、芝居は違う世界の聖域のように感じつつも、一方で共通点もあると言います。
「芝居は緊張もしますが、やりがいはあります。お客さまの反応が目の前で伝わってくるのは漫才と一緒で、その日その日で雰囲気も違うし、一期一会なところがいいですね」
ホームだから感じる愛ある厳しさ
根っからの福岡びいきだという華丸さん。
「福岡と聞くだけで人でも物でも何でも応援したくなってしまいます。もう癖というかそういう体質になっているようです」
福岡は、ホームである温かさを感じる反面、だからこその緊張感もあるようです。
「街を歩いている分にはいいのですが、博多座では『前よりいいものができるのか?』と審査されているような緊張感がありますね。本当に大吉さんともよく言うんですけど、福岡が一番やりづらい。良い意味で親目線で心配されている感じです。だから毎回毎回、免許の更新のようで、『東京で頑張ってきました。どうでしょう?』と問い、『よし、お前、まだ頑張れるな』って思われたいという気持ちです」
博多座が開業した25年前は、
「28歳の頃、いろいろなことを諦めかけていて、博多座は眩しすぎて別世界でした」
という華丸さん。今や全国的な人気芸人となり、博多座で座長として舞台を率いるほどになりました。本作で演じるのは、吹奏楽とは全く畑が違うスポーツインストラクター役。吹奏楽部を全国大会へと導く華丸さんの「熱血」の舞台を体感してみませんか。