大学卒業後、単身メキシコに渡り重量級スターとして活躍。2001年に帰国し、新日本プロレスなどを経て2008年に帰郷。世界初のNPO法人のプロレス団体・九州プロレスを旗揚げし、精力的に活動中。
とにかくまっすぐな人である。ただひたすらに自ら信じる道を突き進む姿は、頼もしくも清々しい。NPO法人「九州プロレス」の理事長を務める筑前りょう太さんは、自身も現役プロレスラーだ。
これまで、プロレス一直線に歩んできた筑前さんは、小学3年生でタイガーマスクに憧れ、大学卒業後、単身メキシコに渡り、185センチ100キロという恵まれた体格を生かして重量級スターとして大活躍する。
「メキシコではプロレスのことを“ルチャ・リブレ”というんですが、老若男女が普段着で楽しむ娯楽なんです。みんな日々のいろんなことを忘れて元気をもらうために会場に来ています。プロレスはみんなの応援歌みたいな感じ。これこそプロレスの本来の役割だと実感しました。また、いったん離れたことで視野も広がり、いかに故郷・九州がすばらしいかということを再認識できました」
九州プロレス大会にて。大迫力の得意技「かつぐバイ」。
その後、幾たびかの挫折もあり、自らの進むべき道を考える中で本当にやりたいことが見えてきたのだという。
「最初はとにかくプロレスラーになって自分がいちばんになりたいという単純な気持ちでしたが、プロレスと関わっていくうちに、こんなにも人の心を揺さぶるプロレスには可能性がある。たくさんの人々に元気を与えることのできるプロレスを通して、自分を育んでくれた九州の地に恩返しがしたいという想いが強くなり、NPO法人『九州プロレス』を立ち上げることにしたのです」
リング外の活動の一環で高齢者施設へ元気をお届け!!
九州プロレスの活動の趣旨はプロレスを通して九州を元気にすること!リングでの試合はもちろん、高齢者や障害者施設への訪問も積極的に行なっており、昨年、訪問した施設は276件にも及ぶとか。
「施設訪問では僕らの方がいろんなことを教えられ、元気をもらっています。だから慰問ではなく“元気の交換会”だと思っています」と筑前さんは白い歯を見せる。
設立10周年を迎えるという九州プロレスの今後を伺った。
「まだまだ元気をお届けできていない過疎地や限界集落もあります。九州の隅々まで1300万人一人ひとりに元気をお届けしたいです。それから設立10周年記念大会(試合)『筋肉山笠18』もお楽しみに」