興味のあるものを追求した結果、正看護師、「JPポドロジー」、エステシャン、色彩、オーラソーマなど、多彩な資格を取得した松崎さん。リラックスタイムは、温泉と滝を眺めること。
「息子さんにおぶわれて爪のケアに来たお母さんが、施術後、自分の足で歩いて帰っている姿を見たときは感動しました。彼女の日常を取り戻せた、生活が豊かになる」。サロンを始めて良かったと思った時を話してくれた松崎加奈子さん。「美と健康」を追求するエステサロン、今ではフットケア専門のサロンとして創業12年を迎えた。
現在に至るまでの道のりは、チャレンジの連続。学生時代はバレーボール選手で、将来は大学、実業団に進むつもりが、膝をけがしたことからその夢を断念。担当医から「今度は、けがした人をサポートする立場になってみては」とアドバイスを受け看護学校に進学し、大学病院の手術部に勤務。同時に、膝をけがしてから自由に運動できない体で、膝に負担をかけない体重管理や体質管理について悩んでもいた。「病院ではサポートできない予防ダイエットや体質改善がエステの技術で可能なのではないかと思い、エステの世界にも興味が湧きました」と言う松崎さん。
興味あることには躊躇せずエステ業界に転職。「入社したら営業に配属されましたが、お客様に合わせたプランを提案する営業ならエステのことがたくさん学べそうだから」と前向きに向き合った。営業として東京に転勤した際、足の専門的なケア「足学」に出会い、「いつか学びたい」という思いが芽生えていた。
福岡に戻りエステ講師担当になって2年後、会社に勤めながら自分のエステサロンを地元古賀市でオープン。そこでやっと東京で出合った足学、ドイツでは国家資格とされる「ポドロジー」を本格的に学び資格を取得。魚の目や巻き爪、外反母趾などのフットケアもスタート。県外や遠方からのお客様も増え、交通の利便性を考えて、天神に2号店をオープン。これまでに5万例以上の「足」と向き合っている。
松崎さんが目指すのは「お客様に理想的なケアができて、トラブルのない状態 、再発しにくい環境にすることです。私自身、体のことをもっと知りたいですし、分からないことを一つずつなくしていきたいです。自分が勉強した分だけ、経験した分だけお客様の願いを叶えられると思います」と力強く話す。
「この秋は、ポドロジーの最新技術を学びにドイツに行きます。今後は、スポーツテーピングなどにも力を入れたいです」と松崎さんは、瞳を輝かせていた。
魚の目の施術中。「フットケアをして、自分に合うインソールを作ることでハイヒールを諦めている人も履けるかもしれませんよ」と松崎さん。