新作ミュージカルに単独主演
数々のミュージカルや舞台、テレビドラマにと多方面で活躍する古川雄大さん。今年1月の「エリザベート」以来の博多座登場です。話題の新作舞台「ミュージカル ピカレスク 『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』」で博多座単独主演に初挑戦となる古川さんに、今回の舞台について伺いました。
「一から作品を作り上げているという感じがします。そういう喜びと楽しみの反面、初めてのことばかりでお客さまの期待の声を聞くと満足して頂けるものを作り上げられるだろうかというプレッシャーもあります。僕も今まで以上にアイデアや意見を出していて、それを汲んでもらえることもあり、自分たちが作り上げた作品やルパン像が、これから先もずっと愛され受け継がれていく作品になったらいいなという思いです」
新作舞台で描かれるルパン像とは
本作の「ルパン」はどう描かれるのでしょうか。
「アニメの『ルパン三世』のイメージを持つ人が多いと思うのですが、今回のルパンは少し違います。頭が良くて機転が利いて人の心を魅了していくというルパンの本質は残しながらも、感情が読めない不思議な部分があり、ニヒルであり少しダークな香りが漂う人物像になっています。過去に葛藤を抱えていて、自分が盗みをしている理由が途中で吐露され、淡々としていながらも人間らしい部分も見せられればと思います」
物語は、華やかな舞踏会でルパンが色々な人物に変装しながら財宝を巡っていくという展開で進んでいきます。個性豊かなキャラクター達と対峙し、時には手を組み、そこに恋愛模様などの人間ドラマの要素もあるなどエンターテインメントに特化したものになっているそうで、この物語の中に生きるルパンの描かれ方は複雑で多角的なのだと古川さん。
「貴族から盗みを働くルパンは、怪盗なので『悪』ではあるのですが、別の視点で見ると実はヒーローの要素もあり単純ではありません。その人の『正義』を貫くものとして『悪』を行っている。愛情がありつつもダークであり、そのアンバランスさもこの作品の面白さの一つです。また、ルパンを演じる時やルパンが変装する誰かを演じる時など、いろいろな人物に変化していくさまをお見せできると思います。演出でもその演じ分けや表現を期待されていて、たくさんの手法を試しています」
物語に仕掛けられた罠にはまる?
物語の構成は、「あっ」と驚くようなスリリングなものというよりは、物語の展開に魅了される中で「はっ」と気づかされるような仕掛けが多く散りばめられています。ミュージカルの醍醐味である音楽もバラエティ豊か。耳に残るメロディが多く含まれていて、観終わった後も余韻に浸ることで、もう一度その世界観を味わえるそうです。
命を吹き込まれる新作舞台「ミュージカルピカレスク 『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』」。新しいルパンの歴史がここから始まります。