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岡ちゃんのきまぐれ散歩術 3

岡ちゃんのきまぐれ散歩術 3


はっきりと見えてきた

 19世紀後半に活躍した英国の小説家アーサー・コナン・ドイルが創作した探偵シャーロック・ホームズが「ボヘミアの醜聞」という物語で友人のワトソン博士に語った言葉を思い出した。「君は見ているだけで、観察ということをしていない。見ると観察するのでは大違いなんだよ」

 そうなのだ。私は、歩きながらものを見てはいたが観察をしていなかった。道端には、たばこの吸い殻、落ちたマスク、空き缶、ファーストフードの包み紙など、いろんなごみが落ちている。しかも、世の中にはそんなごみを拾う善男善女も多い。

 友人の話も参考になった。県内を中心に展開する娯楽産業の執行役員をしていた彼は職を辞して悠々自適の生活に入り、ごみ拾いを日課にするようになった。「娯楽産業で禄をはんできたので恩返しのつもりだ」と言いながら楽しんで続けている。

 たまに一杯やりながら、友人からごみ拾いの報告を聞くのだが、演芸好きの父上に連れられ、子供の頃から東京の寄席で生の落語や漫才に触れていたそうだ。それだけに、その語り口は酒の肴になるほど面白い。そんな話を聞くうちに「私も散歩しながら、ごみ拾いをしよう」と考えるようになった。ごみ拾いは金運にも効果があるという少々不純な動機もある。

 腰を痛めずごみを拾い上げるための長いトングもあった。で、ごみ袋は?と調べるうちに福岡市がごみ袋を区役所単位で配布してくれることもわかった。毎日ではないが、トングとごみ袋を手に1時間ほど散歩をしている。まだ、ビギナーだが獲物(ごみのこと)がない日はない。社会の役に立っているという充実感も少しだけ湧いてきた。

 目の前に広がる梅雨明けの青空を見ながら散歩中に米国のシンガーソングライター、ジョニー・ナッシュの「I can see clearly now」が口をついて出てきた。歌い出しはこうだ。「♪雨がやんだ、今はっきりと見える」。そう私にも見える! 道端のごみが…


文・写真岡ちゃん

ぐらんざ世代の代弁者としてnoteなどで発信。
代筆屋業も開業しスピーチ原稿などの執筆や情報誌編集長としても奮闘中。

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岡ちゃんのきまぐれ散歩術

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