そこにモールがあるからだ
ようやく秋めいてきたが、あまりの暑さに散歩をするにもシニアにとっては命懸けとなりそうな日々が続いた。しかし、歩かなければ、このコーナーで私の気まぐれ散歩の成果を読者の皆さんにお届けすることができない。そんな時①酷暑に左右されない②熱中症と無縁③それどころか「雨が降ろうが槍が降ろうが大丈夫」。少々大げさだが、天候に左右されず快適に散歩を楽しめる場所を見つけた。
わが家の近所にある巨大モールだ。福岡県内各地にも大型商業施設、ショッピングセンターがある。いつもはカミさんの買い物の荷物運び役だが、モール散歩という言葉にするだけで気持ちを切り替えることができモチベーションが、なぜか高まる。おまけに場所によってはシネマコンプレックスまであり、話題の映画をゆったりと見て帰ることもできる。
自然の中でひたすら長く続く道や静かな河川敷、海岸線では心は「無」になるが、モールの中は誘惑も多く華やかだ。実際、モール散歩を始めたころは特にフードコートが多かったが書店、雑貨店など立ち寄っては出て、散歩ではなく単におっさんが店の冷やかしをしているだけと言われても仕方ないようなウロチョロぶりで歩数も目標の八千歩を大きくオーバーして、二万歩近く歩いたこともあった。
一方で慣れてくるといろいろなものが見えてきた。洒落たコーヒーショップや至る所に休憩できる緑を配した座り心地が良いベンチも置いてある休憩スペースもある。気がつけば同年輩の人たちが新聞を広げたり、読書をしてくつろいでいることもわかってきたので私も休憩している。広い通路では、定期的に特産品や特売品のワゴンが並び目の保養にもなる。足繁く通うようになり、いつの間にか体重も少し減っていることにも気がついた。
「なぜ、山にのぼるのか。そこに、山があるからだ」は英国の登山家、ジョージ・マロリーが口にした有名な言葉だが、私もそこにモールがあるから!をモットーに訪ねるつもりだ。体重減、目の保養、買い物をするカミさんへのサービスも兼ねて各地のモールを攻略していきたいと目論んでいる。

文・写真 岡ちゃん
ぐらんざ世代の代弁者としてnoteなどで発信。代筆屋業も開業しスピーチ原稿などの執筆や情報誌編集長としても奮闘中。