本サイトはプロモーションが含まれています。

福岡麺人生68杯目・長崎に〝ラーメン文化〟を 麺也オールウェイズ

福岡麺人生68杯目・長崎に〝ラーメン文化〟を 麺也オールウェイズ


「麺也オールウェイズ」
長崎市万屋町5-22
午前11時〜午後10時 水曜定休
レモンとんこつらーめん900円

「長崎ってラーメン屋あるの?」

 麺也オールウェイズ代表の高木隆太郎さん(43)=長崎県出身=は時折そんな言葉を投げかけられる。当たり前だが、ラーメン屋がないわけはない。しかし、そういう印象を持たれるのは理解できるという。

 なぜなら長崎は圧倒的なチャンポン文化圏。それゆえ、ラーメンの存在感が薄くなってしまうのだ。「特に家族連れでラーメン屋には行かない。どうしても中華とかになっちゃう。〝ラーメン文化〟がないんですよ」と、高木さんは言う。 

「文化をつくるのは大変。ちゃんぽんはやっぱりすごいです」と高木隆太郎さん

 地元のことを客観視できるのは、福岡・久留米で学生生活を送った経験が大きい。初めて食べた久留米ラーメンには驚いた。呼び戻し製法を使う独特の熟成臭は長崎にはなかった。「最初はくさくてダメ。でもすぐに慣れました」と振り返る。

 バイトもラーメン屋を選んだ。勤務先は、博多一風堂で学んだ梶原龍太さんが平成11年に始めた「龍の家」。ここは呼び戻しではなく、取り切りスープ。久留米らしさこそなかったが、梶原さんの人柄、そしてラーメン屋としてのあり方にほれた。

「店舗がきれい。接客にもこだわるので、家族で行きやすい。長崎に持って帰りたいと思ったんです」

「30歳までに独立」を掲げて、大学卒業後はそのまま就職した。新店の立ち上げ、既存店の建て直しに関わり、本店の店長も経験。がむしゃらに働いた。

 長崎市で創業したのは、30歳の誕生日を翌日に控えた平成21年9月18日。「福岡から来たラーメン」として滑り出しから順調だった。ただ、名をあげたのは、あるオリジナルラーメンがきっかけという。

 その一杯をお願いした。スープ、麺を入れるまでは普通のラーメンと変わらない。そこに「意外に合うんです」とレモンスライスを載せる。ネギ、胡椒を振れば、「レモンとんこつらーめん」の出来上がりである。

 一口すすると、「意外」という言葉が分かった。うま味が酸味で抑えられてしまいそうな気がしていたが、実際はそうでもないからだ。土台の豚骨のコク深さは酸味に負けていない。それでいて、さっぱり感が増し、キレもよかった。

「どこどこ出身と呼ばれるのが嫌。オリジナルがほしかったんです」と高木さん。さまざまな素材を試す中、ヒントになったのは「おふくろの味」だった。炒めた豚肉にネギ、胡椒をかけ、最後にレモンをしぼる。母親の手料理を思い出しながら、オリジナルの一杯を考案した。

 基本の豚骨も変化させている。創業時は取り切りのスープだったが、今は一部呼び戻しの手法も使う。昨年は熟成臭を強めたラーメンを出した。でも、受けはいまいち。お客さんは久留米に行ったばかりの高木さんと同じ心持ちだったのかもしれない。「いずれは再挑戦します」とあきらめてはいない。

 創業から14年。長崎のラーメン事情は変わりつつある。同世代による新店は増えた。自身の店も長崎市、近郊で計4店舗に拡大。郊外店はロードサイドに展開し、家族連れも多くなった。

 それでも依然として、この言葉を耳にする。

「長崎ってラーメン屋あるの?」

 業界が盛り上がれば、いずれ文化として育っていくと信じる。「現状を覆したいです」。高木さんの言葉は力強かった。

文・写真 小川祥平
1977年生まれ。「のぼろ編集部」編集長。
著書に「ラーメン記者、九州をすする!」。「CROSS FM URBAN DUSK」内で月1回ラーメンと音楽を語っている。ツイッターは@figment2K

関連するキーワード


福岡麺人生

最新の投稿


「ぐらんざ7月号」記事内容の誤りに関するお詫びと訂正

「ぐらんざ7月号」記事内容の誤りに関するお詫びと訂正

「ぐらんざ7月号」の17ページに掲載しているコラム「岡ちゃんの気まぐれ散歩術」の内容に誤りがありました。 コラム内で朝倉郡筑前町立大刀洗平和祈念館に展示されている「局地戦闘機『震電』の実物大レプリカ」をご紹介しておりますが、文章中に「まもなく展示が終了する」という誤った記載がありました。「震電」は常設で、現在のところ展示終了の予定はありません。 読者の皆様および関係者の皆様には大変ご迷惑をお掛けしました。お詫びして訂正いたします。


[2024年版]50代の女性に贈るおすすめの日焼け止め・化粧下地10選|メイクに使えるプチプラ・デパコスアイテムを厳選紹介

[2024年版]50代の女性に贈るおすすめの日焼け止め・化粧下地10選|メイクに使えるプチプラ・デパコスアイテムを厳選紹介

50代の女性にギフトとして化粧品を贈る際は、日焼け止めや化粧下地がおすすめです。一般的に化粧品は女性の好みが強く反映されるアイテムのため、好みを知らないままプレゼントするのは難しいもの。日焼け止めや化粧下地であれば、上に使うコスメで自分好みのメイクに仕上げられるので、プレゼントしやすいですよ。50代の女性に贈る日焼け止めと化粧下地をそれぞれ5商品ずつご紹介するので参考にしてくださいね。


ぐらんざ2024年7月号プレゼント

ぐらんざ2024年7月号プレゼント

応募締め切り:2024年7月12日(金)



今月のシネマ

今月のシネマ


発行元:株式会社西日本新聞社 ※西日本新聞社の企業情報はこちら