また同じ1日の中でも月との距離は変わります。月が頭上(真上)にあるときが最も距離が短く、月が地平線近くにあるときよりも平均距離で約6,400キロ(=地球の半径の長さ)短くなります。ですが、この距離の差では見た目の大きさはほぼ変わらず、さらに地平線近くの月は大気による屈折でゆがんで見えることもあり、大きさの違いは感じにくくなっています。
■〇〇ムーンって何?
「スーパームーン」など、「〇〇ムーン」という言葉をよく耳にしませんか? 実はこの呼び名は天文学の用語ではないため、明確な定義はありません。
一般的に「スーパームーン」とは、月と地球の距離の関係で1年の中で最も大きく見える満月のことを指し、反対に最も小さく見える満月のことを「ミニマム(マイクロ)ムーン」と呼びます。
近頃はネイティブアメリカンの農業暦で使用する満月の呼び名もよく紹介されるようになっています。
2023年のスーパームーン 8月31日(木)
2023年のミニマム(マイクロ)ムーン 2月6日(月)
2~4月:ネイティブアメリカンの満月の呼び名
2月6日(月) スノームーン(雪の月/雪が降る時期の月)
3月7日(火) ワームムーン(芋虫月/雪がとけて芋虫が出て
くる時期の月)
4月6日(木) ピンクムーン
(桃色月/桃色の花が咲く時期の月)
プラネタリウム活用法
「実際の夜空ではやっぱり分からない」。そんなときは各地にあるプラネタリウムを利用しましょう。多くのプラネタリウムでは、その日の夜空の様子を分かりやすく解説してくれます。プラネタリウムで予習をしておくと、実際の天体観察でも星を見分けやすくなりますよ。
また、天候に関係なく楽しめるので、雨が続くときなどにも星を楽しめることもメリットです。
冬の代表的な星を見つけよう 冬の代表的な星を見つけよう
星の中でも特に明るい1等星以上の代表的な星なら、肉眼でも簡単に見つけられます。
一番見つけやすいオリオン座を基準にして、他の星を探すと見つけやすいですよ。
星座表は、見上げたときの空の方角に合わせているため、東西の表記が、見下ろして使う普通の地図とは反対になっています。
南向きに立って、空にかざして使うと分かりやすいですよ。
■Step1 オリオン座を見つける
まず少し右上がりの横一列に3つ並んだ「三つ星」を見つけましょう。それがオリオン座の中心です。その周りを鼓のような形で囲む星々でオリオン座を構成しています。オリオン座の左上の星がベテルギウス、右下の星がリゲルで共に1等星です。1~2月は21時ごろに真南の空高い位置に見え、時刻が進むにつれ少しずつ西へ移動していきます。
■step2 オリオン座から代表的な 冬の星を探す
❶ シリウス(おおいぬ座)
オリオン座の三ツ星をつないだ線を左下に伸ばした場所
❷ プロキオン(こいぬ座)
オリオン座の上2つの星をつなぎ、弧を描くように左に伸ばした場所
❸ アルデバラン(おうし座)
オリオン座の三ツ星をつないだ線を右上に伸ばした場所
❹ ポルックス(ふたご座)
オリオン座の右下リゲルと左上ベテルギウスをつないだ線を左上に伸ばした場所
❺ カペラ(ぎょしゃ座)
三ツ星の中心の星から線を上に伸ばした場所
■「宵の明星」と木星が 大接近
月の次に明るく見える星。それが金星です。夕方から見える金星は「一番星」や「宵の明星」と呼ばれ、明け方に見える金星は「明けの明星」と呼ばれます。約10カ月おきに宵の明星と明けの明星は繰り返され、この冬は宵の明星を観察することができます。日没後、西の空で最も明るく輝いている星が金星です。
さらに3月2日には金星と木星が大接近して見える天体ショーがありますので、注目を。
■見ると長生きできる? 長寿星「カノープス」
冬の空で赤く輝く「カノープス」が見られます。「赤」=「おめでたい」ことを連想させ、古来より「この星を見ると長生きできる」と言われ長寿星とも呼ばれています。
南側の地平線近くの低い場所で見られるため、南側に山や建物があると見えません。南側が開けた場所に行った際はぜひカノープスを見つけてみてください。
※緯度の問題から東北以北ではカノープスは見えません。
●カノープスが見やすい時間
1月20日ごろ…21時45分〜23時45分ごろ
2月20日ごろ…19時40分〜21時40分ごろ
見やすい時間帯は1日に約4分ずつ早まります。