3. 2の題材と 掛け合わせる物を決める
掛け合わせる物は、2の題材の周囲にある物・事から選ぶと作りやすくなります。
(例) アジサイが咲いている石段、社殿
※2の題材が季語でない場合は、掛け合わせる物に季語を選んでください。
4. 2と3のものを組み合わせて 17音でまとめる
きれいにまとめられなくても大丈夫。2と3のものに動詞や「や」「かな」「けり」などの切れ字を組み合わせるなどして17文字にまとめましょう。
(例)あじさいを分け石段の社かな
5. 推敲する
①上の五音と、下の五音を入れ替えて詠み直す。どのように言葉を並べた方が、リズムがいいのか試してみましょう。
②短い文章のため、助詞(「て」「に」「を」「は」)の使い方が特に重要となります。正しい意味になっているか再確認を。
③『歳時記』を見て、季語の選び方が最適か確かめる。同じ意味合いのものでも、違う言葉がある場合も。
④季語が2つ以上ある「季重なり」になっていないか? その句の核となる季語は一つだけの方がバランスよくなります。
⑤切れ字は1つだけか? 文章を区切る意味合いのある切れ字は、1句につき1つまでにしましょう。例外もありますが、切れ字が多くなると言葉がバラバラになっている印象を与えてしまいます。
■正岡子規が伝える心得
かの俳人、正岡子規は俳句の入門書『俳諧大全』の中で、「俳句を自分のものとしたいのならば、思うまま俳句を作り、上手さを求めるな、下手さを隠すな、他人からの目を恥ずかしがるな」と伝えています。初心者が励まされる言葉ではないでしょうか。上手い下手は気にせず、とにかく詠んでみましょう。
※「俳句をものせんと思はば思ふままをものすべし。巧みを求むる莫れ。拙を蔽ふ莫れ。他人に恥かしがる莫れ。」
■カメラで撮影したように詠む
心情を俳句に詠むこともありますが、これは高度なテクニック。初心者はカメラで写真を撮るように、目で見た景色を詠む方が句作しやすいでしょう。
目の前にどのような風景が広がっているのかを表現しましょう。
夏の季語(5月5日~8月7日)
■夏の季語の中から一部を紹介します。 早速、夏の俳句を詠みましょう。
時候
○薄暑(はくしょ)
少し汗ばむ程度の初夏の暑さ
○梅雨寒(つゆざむ)
梅雨どきの寒さ
○短夜(みじかよ)
日暮れから夜明けまでが短い夏の夜のこと
地理
○夏野
夏の日差しが降り注ぎ、
草が青々とおい茂っていること
○植田
田植えが終わったばかりの田んぼのこと
○滝
滝。涼しさを感じさせる夏の風景
天文
○雲の峰
高くそびえる積乱雲を山に例えて言ったもの
○南風(みなみ)
湿り気のある暖かい夏の季節風のこと
○遠雷
遠くで鳴っている雷のこと。
雷は一般的に夏の季語だが、「春雷」(春)、「稲妻」(秋)など例外もある