米国的なスプライトにこだわる
情報誌ぐらんざは、この「岡ちゃん 挑む!」とて私の独断で書いているわけではない。背中合わせに座っている映画や放送の世界に例えると、プロデューサー(PD)役がおり「読者の皆さんにどんな気になる情報をお届けしようか?」と日々、相談している。そんな時だった。瀬戸PDが「岡ちゃん知ってます? ハンバーガー店やスーパーにはあるけど自販機ではスプライトを売ってないの…」
うかつだった。いつの間にか自販機からスプライトが消えていたことに気づかずに人生を過ごしていた。さらに言えば糖尿病・高血圧・高脂血症の〝三刀流〟の薬を毎日服用し、街にハンバーガーショップがあふれているのに高カロリーなハンバーガーを長く食べていなかった。私にとってハンバーガーとスプライトはワンセットで、フライドポテトもあればもっといい。
クエンティン・タランティーノ監督の映画「パルプ・フィクション」でもハンバーガーとスプライトが登場する名シーンがある。ボスの大金を持ち逃げしたらしいチンピラのアジトに真っ黒のタイとスーツを身につけたギャング2人が落とし前をつけに踏み込む。チンピラの一人が朝食にハンバーガーを食べている途中だったようで、ハンバーガー好きのジュールスというギャングが「食べてもいいか?」と威圧しつつ、パクつく。そして、置いてあったカップ入りのスプライトをつかみ「いま食ったハンバーガーを胃に流し込んでもいいか」と言いながら、ストローで一気に飲む。
ハンバーガーとスプライト。いかにもアメリカ的で、このシーンを見るとハンバーガーショップに駆け込みたくなる。いや本当のところ駆け込んだ。瀬戸PDと一緒に米国テイストの強い「バーガーキング」に。
月に一度お世話になっているかかりつけ医にもカミさんにも「瀬戸PDと一緒だったし、仕事だからね」ともっともらしい言い訳もできる。巨大なハンバーガー片手に、もう片方の手にスプライトを持って映画のように胃に流し込んだ。やはり最高にうまい。ただ、コロナ禍で制限されている海外旅行への思いがより強まった。死ぬ前にもう一度、ハワイでハンバーガーとスプライトに挑みた~い!
文・写真 岡ちゃん
元西日本新聞記者。スポーツ取材などを経験し、現在ブログやユーチューブなどに趣味や遊びを投稿し人生をエンジョイするぐらんざ世代。