家を健康に 心も健康に
年を重ねていくにつれ家の中にものがあふれ、これではいけないと思っていた矢先、新聞の紹介で見つけた本が『清潔な暮らしは1枚のタオルからはじまる』(新津春子朝日新聞出版)。なかでも表紙に小さな文字で「年をかさねてしあわせになる手帖」と書かれ、きちんとたたまれたふかふかのタオルに身も心もゆだねて寄りかかった幸せそうな顔のイラストがすっかり気に入った。表紙をひらくと、「清潔は癒しになる」と書いてある。筆者の新津さんは、羽田空港で働く清潔さ世界一を受賞した清掃人で、環境マイスターと紹介されている。「家を清潔にするのは、家の健康を守ること、掃除は家にたまった老廃物を捨て、新陳代謝をよくすること」とある。その掃除哲学に心より魅せられた。「毎日何かひとつずつきれいにすると、気持ちが晴れ晴れして顔が明るくなっていく。この世にひとりしかいないあなたという人間をもっと輝かしてほしい。その力がお掃除にはある。私はそれを信じています」。
この本を参考に、早速今私が実行していることは、重曹水の活用。汚れをおとし、においも消すとあって、キッチンまわりの油汚れや洗濯物のにおい落としに重宝している。少しずつ片付けを続けて気づいたことがひとつある。たしかに掃除は心身の代謝を良くし、人を前向きな気持ちにしてくれるということだ。家も人も掃除で健康にしよう。
『清潔な暮らしは1枚のタオルからはじまる』
新津春子 著
朝日新聞出版
1,100円(税別)
六百田麗子
昭和20年生まれ。
予備校で論文の講師をする傍ら本の情報誌「心のガーデニング」の編集人として活躍中。