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【音楽】「イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ」(スティープルチェイス・レコード ’74年録音)ケニー・ドリュー・トリオ

【音楽】「イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ」(スティープルチェイス・レコード ’74年録音)ケニー・ドリュー・トリオ


スタンダード曲をちりばめた 歌心溢れる宝石箱の如き作品集

 ケニー・ドリューは、思うような評価を受けぬまま米国での暮しに見切りをつけてデンマークに移住する。コペンハーゲンでハウスピアニストとして地道な活動をするうちに好評を得て、70年代にはスティープルチェイスレコードのニルス・ウィンターの計らいで、地元の重鎮べーシスト、ニールス・ペデルセンと旧友アルバート・ヒースによるトリオで収録した『ダーク・ビューティ』で復活を遂げる。

 また、同日録音したスタンダード曲中心のオーソドックスな本作は、日本盤で初登場した際に『ダーク・ビューティⅡ』と邦題がつけられた。「ダーク・ビューティ」のような煌めきを放つ自作曲は無いが、マイルス・デイヴィスが『ワーキン』でも取り上げたデイヴ・ブルーベックの「イン・ユア・オウン・スウィート・ウェイ」や、デューク・エリントンの「プレリュード・トゥ・ア・キス」、ソニー・ロリンズの「オレオ」など、多くのアーティストが奏でるスタンダードの名曲を彼ならではの歌心と優しいタッチで聴かせてくれる。ヘトヘトになった週末に聴くと何故か心に充実感が満ちてくる、そんな魅力を放つ作品だ。

 ケニー・ドリューはトリオばかりでなく、ソロ、デュオ、クインテットの作品などスティープルチェイス・レコードに傑出した数々の作品を残している。

相川 潔

元広告会社社員・長崎市生まれ熊本市在住。
ジャズ、ロック、ソウルなどのレコードを追い求めて数十年。名盤、奇盤多数。
レコードは盤、ジャケット、再生機を含めて楽しむべき芸術だと思います。

発行元:株式会社西日本新聞社 ※西日本新聞社の企業情報はこちら