自分は大丈夫…その油断や過信がいちばん危険! 高齢者が遭いやすい犯罪とその対策
日本は世界でも有数の安全国家と言われていますが、犯罪とは無縁の生活ができるとは言えません。高齢者をターゲットにする犯罪は、自宅への侵入や悪質商法など以前からあったものに加え、オレオレ詐欺やスマホを介する詐欺など、手口は日々多様化しています。
どんな手口があるのか把握したうえで、有効な対策をとりましょう。
特殊詐欺
電話やメールなどを利用し、対面せずに現金をだまし取る犯罪です。ATMで振り込ませたりプリペイドカード式の電子マネーの購入を求めたりします。高齢者の被害が特に多く、全体の約6割を占めるとされています。
■オレオレ詐欺
息子など親族を装い、「トラブルに巻き込まれた」「借金がある」などと言って現金などを要求します。
■架空請求詐欺
「未払いの料金がある」「今日中に払わないと裁判になる」などと不安をあおり、金銭を要求します。
■還付金詐欺
役所の職員などを名乗って「医療費や税金の還付金がある」と偽り、ATMで現金を振り込ませます。
■SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺
SNSなどを通じて親近感や恋愛感情を抱かせ、投資話などを持ちかけて金銭をだまし取ります。
■対策
身に覚えのない不審な連絡には対応せず、家族や警察に相談を。「ATM」や「電子マネー」という言葉が出たら詐欺です。
家族や周りの人は?
スマホで不安そうに話していたり、急に「コンビニで電子マネーを買わないと」などと出かけようとしたりしていたら、すぐに話を聞きましょう。
■フィッシング詐欺も増加傾向!
宅配業者や金融機関などを装って、スマホにメールを送り、偽サイトに誘導して、銀行の口座番号やパスワードを聞き出すフィッシングも増えています。メールやSNSに記載されているリンクを安易にクリックしないよう注意しましょう。
窃盗・強盗
高齢者は体力や反応速度が低下しているため、抵抗が難しいと見なされ、空き巣や強盗のターゲットにされやすくなります。 戸建て住宅は共同住宅に比べて出入り口や窓が多く、昔ながらの家は防犯対策も手薄で、リスクが高い傾向にあります。
対策
防犯ガラスや補助錠の設置、窓の二重ロックなど住宅の防犯機能を高めましょう。ゴミ出し等の短時間の外出でも必ず鍵を掛けること。また、こまめな庭の手入れや新聞や郵便物を回収することも防犯上有効です。
点検商法
高齢者宅を狙って、屋根や水回りなどの無料点検を提案し、損傷箇所がないにもかかわらず「このままでは危険」「今なら割引価格」などと契約させようとします。
対策
すぐに契約するのではなく、複数の業者から見積もりをとりましょう。不安な点があれば「住まいるダイヤル®(国土交通大臣指定の住宅専門の相談窓口)」に相談を。
住まいるダイヤル® ☎03-3556-5147
10:00~17:00(土日祝日、年末年始を除く)
家族や周りの人は?
不審者が訪問していないか気を配りましょう。不審な契約書があればすぐに確認を。クーリングオフができる可能性もあります。
■かたり商法にも注意!
公務員や公的機関の職員などを装い、消火器やガス警報器などが義務付けられていると偽り売りつけます。身分証明書の提示を求め、何事もすぐに契約するのはやめましょう。
送りつけ商法
注文していないのに一方的に商品を送り付け、代金を請求する手口です。
注文していないのに一方的に商品を送り付け、代金を請求する手口です。
対策
宅配便を受け取る時には送り主をきちんと確認し、身に覚えのない荷物は受け取らないようにしましょう。万が一受け取っても、特定商取引法の改正により、売買契約に基づかずに送付された商品は直ちに処分でき、代金の支払いも不要です。送り付けた事業者の請求には応じないようにしましょう。対応に困ったら「消費者ホットライン(☎︎188)」に相談を。身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してくれます。
ぐらんざ世代に聞きました 防犯対策どうしてる?
高齢者が犯罪に巻き込まれてしまうニュースを、頻繁に目にするようになりました。そんな中、実際、みなさんはどのような防犯を実践しているのでしょうか。「防犯」について、ぐらんざ世代に聞いてみました。
■Q1 住まいの防犯対策で心掛けていることは?
「オートロックマンションだから安心」「シニアマンションに入居のため安心」という回答が一定数ある中、「犬を飼っている」という回答も多くありました。大切な家族の一員でありながら「知らない人にほえるから」と、防犯にも一役買っているようです。他には「門扉の鍵を閉める」「夜は雨戸を閉める」「庭に砂利を敷く」なども。
■Q2 外出時の防犯対策は?
「なるべく一人で外出しない」「夜はなるべく外出しない」という回答のほか「ながら歩きをしない」「時々後ろを振り返る」「防犯ブザーを持ち歩いている」という回答も多くありました。防犯意識の高まりが伺えます。
■Q3 ニセ電話詐欺の対策は?
「セールス電話はすぐ切る」「怪しい電話はすぐに切る」と、知らない相手からの電話はすぐ切るという意見がほとんど。とはいえ「電話での勧誘には応じない」のはなかなか難しいのが現実のようです。電話を用いた詐欺も多く報道されていることから、「固定電話はとらない」という意見が多数ありました。
高齢者が被害に遭う事件は増加しています。高齢者は身体能力や反応の低下により、犯罪者に襲われても抵抗できないケースが多く危険です。また認知機能の衰えにより詐欺などにかかりやすく、狙われやすい存在です。本人だけでなく、家族が「見守る」「対策を提案する」姿勢も欠かせません。近隣住民とも日頃から声を掛け合い、お互いが普段の様子を知っておくこと、相手が困っていないかを意識し合うことも大切です。一人一人が防犯意識を高め、より安全で安心な暮らしを目指しましょう。
取材協力 全国防犯協会連合会
公益財団法人 全国防犯協会連合会では、「安全で安心な社会」の実現のため様々な活動を行なっています。
公益財団法人 全国防犯協会連合会では様々な活動を行なっています。安全で安心な社会”の実現…全国防犯協会連合会は、このすべての人の願いを目指して活動を続けている団体です。略称で「全防連」と呼ばれています。