ウエストコーストから発信する不思議なサザンロックが炸裂
フランク・ザッパの元でマザーズのギタリストとして活動していたローウェル・ジョージが、ドラッグ色の濃い曲を作ることを拒否されたため独立して結成したのがリトル・フィート。
6人編成になって臨んだ3作目の「ディキシー・チキン」が大ヒット。リズムセクションを強化してシンコペーションの利いた彼ら独特のビートが加味され、ローウェル・ジョージのスライドギターとビル・ペインのキーボードが絡み合い、スワンプロックからR&Bまで実にバラエティ豊かである。サザンロックが注目されていた時期だけにタイトル曲やアラン・トゥーサンの「オン・ユア・ウェイ・ダウン」など印象深い曲が並ぶ力作で、バックヴォーカルにボニー・レイット、ボニー・ブラムレット、スリー・ドック・ナイトのダニー・ハットンまで参加するという豪華顔ぶれだ。
LAでのスタジオ録音当時に渡米していたはっぴいえんどが、その模様を見て大いに影響を受けたという逸話が残っている。この時のメンバーが最強と言われ、ステージの迫力の演奏は、7作目のライブ盤「ウェイティング・フォー・コロンブス」で聴くことができる。
この作品は昨年ハイレゾCD名盤コレクションとして発売された。ネオン・パークによる不思議なジャケットを見ると彼らのサウンドが鳴り響く。
発売元:ワーナーミュージック・ジャパン
相川 潔
元広告会社社員・長崎市生まれ熊本市在住。
ジャズ、ロック、ソウルなどのレコードを追い求めて数十年。名盤、奇盤多数。
レコードは盤、ジャケット、再生機を含めて楽しむべき芸術だと思います。