冬になると、インフルエンザが流行し、多くの人の健康を脅かします。手洗いやマスクの着用、換気などの感染予防策とともに、ワクチン接種も重要な対策の一つです。インフルエンザワクチンについてお話しします。
受験生を抱える家族がそろってインフルエンザワクチンを接種するというのはよく聞く話です。しかし、これは何も受験生に限った話ではありません。高齢者や乳幼児が身近におられる方々も、ワクチンの接種をお勧めします。インフルエンザワクチンに期待される効果は発症予防効果と重症化予防効果です。
インフルエンザは発熱、関節痛、倦怠(けんたい)感などの症状を伴い、通常は一週間前後で改善するといわれています。しかし「熱が下がったのにせきが止まらない」「胸が苦しい」「再び発熱した」というケースを耳にすることがあります。こうした症状が長引く場合、それは「回復の途中」ではなく「合併症」が起きている可能性があります。
とりわけ、高齢者や乳幼児、糖尿病や心疾患などの基礎疾患がある人は、体力や免疫の働きが低下しているため、インフルエンザより合併症の方が重くなって命に関わることもあります。高齢者の場合は肺炎、乳幼児は急性脳症を引き起こす恐れがあるため、注意が必要です。
インフルエンザワクチンは、生後6カ月以上のすべての人に接種することをお勧めします。乳幼児や高齢者などを抱える家庭の場合、ワクチン接種は、単に自分の予防のためだけではなく、彼らを守るために不可欠なことであると理解してください。
厚生労働省によると、ワクチンを接種することによって、重症化のリスクを約80%減少させることができます。ワクチンは生後6カ月から接種できます。13歳未満の子どもは、原則として2回接種が推奨されています。子どもの場合、1回だけでは十分な免疫が獲得できないとも言われています。一方、18歳以上の大人は1回接種が基本です。
65歳以上の方は定期接種の対象で自治体から公費助成を受けられます。多くの自治体では自己負担が千円~2千円程度となっています。
担当医
いしざき小児科クリニック院長
石﨑 義人先生
協力:福岡市医師会