本サイトはプロモーションが含まれています。

ぐらんざ診療所 vol.40 漢方薬と上手に付き合う

ぐらんざ診療所 vol.40 漢方薬と上手に付き合う


 漢方薬(特にエキス製剤)を処方する医師が最近は増えており、いまや日本の内科医の7割が漢方薬を処方しているとされています。

 漢方薬と西洋薬の大きな違いは、西洋薬は複合剤もありますが基本的に純粋な単一の物質でできており、特定の細胞や臓器に直接働きかけて作用します。一方、漢方薬は数種類の植物、動物、鉱物など自然界にある生薬を混ぜ主に煎じ、多成分の物質でできており、体のさまざまな場所に作用します。一般に漢方薬はゆっくり効くと言われますが、疾患によっては非常に早く(服用した瞬間)効くものもあります。

 私は、大学の医局に属している時は西洋医学のみで診療をしていましたが、開業してがんや難病などの重篤ではない風邪などの普通の患者さんを診療した時、診断はできてもうまく治療できないことが何度もあり漢方薬を勉強するようになりました。現在、世界中で蔓延している新型コロナウイルス感染症も初期の段階では漢方薬が有用ではないかと考えます。

 漢方医学は、現在の西洋医学的な検査技術がない状態で長い間、治療手段として有効であることで受け継がれてきました。約二千年前の『傷寒論』というウイルスや細菌感染により発熱する病気の治療について書かれた本の中では、同じ病気にかかっても状態や経過により症状が変化していくので、その都度漢方薬の処方を変えることが書かれています。漢方医学はさまざまな考え方や流派があり、それを学ぶことも多岐にわたり面白い分野でもあります。

 以前、西洋薬で長い間咳が止まらないと悩んでいた患者さんに漢方薬を処方したところ、スーッと咳が治まったことがあり、そんな時は漢方薬を処方してよかったと思える瞬間でもあります。漢方薬の処方を求める患者さんには女性が多いのも特徴です。自然の生薬から作られる漢方薬は体に優しく、女性特有の体の冷えや生理痛、更年期障害などに悩む人たちに注目されています。また高齢者の食欲不振、疲労倦怠感、腰痛などの体の痛みにも有効な漢方薬が多数あります。

 漢方を処方するには患者さんのお話をしっかり聞くことが大切です。「なんとなく体調が悪い」と複雑かつ多岐にわたる自覚症状があるものの、検査をしても異常が見つからず西洋医学的には治療できないような「不定愁訴」には漢方薬が役立つことがあります。

 最後に薬を飲むことも大切ですが、日頃の養生が大切です。その中に「医食同源」という言葉もあります。江戸時代の儒学者貝原益軒は『養生訓』の中で、腹八分目の大切さを説いています。「少食こそ健康維持の秘訣」です。


担当医
鶴内科医院
院長 鶴 博生先生

協力:福岡市医師会

関連するキーワード


ぐらんざ診療所

関連する投稿


最新の投稿


50代のアイメイク|老け顔に見えないコツといい感じの目元が作れるアイテム7選を紹介!

50代のアイメイク|老け顔に見えないコツといい感じの目元が作れるアイテム7選を紹介!

50代のアイメイクは、やり方や選ぶアイテムを間違えると老け顔に見えてしまうため、悩むことも多いですよね。本記事では、老け顔に見えないアイメイクのコツと、いい感じの目もとが作れるアイテムを7選ご紹介。アイブロウやアイシャドウなどアイメイクに必要な基本アイテムから厳選しました。50代が避けたいアイメイクも解説するので参考にしてくださいね。


【2024~2025年版】年末年始の帰省・お正月の手土産に喜ばれる商品10選

【2024~2025年版】年末年始の帰省・お正月の手土産に喜ばれる商品10選

年末年始の帰省やお正月の手土産におすすめの商品を10選ご紹介します。年末年始の帰省やお正月の挨拶まわりで、手土産を渡す方は多いですよね。毎年のことであれば、「今年はどんな手土産をお正月に渡そうかな」「毎年同じようなものを渡している気がする…」と年々手土産選びも大変に。今改めて意識したいお正月に渡す手土産の選び方とともにおすすめ商品をご紹介するのでぜひ、参考にしてみてください。


ぐらんざ2024年12月号プレゼント

ぐらんざ2024年12月号プレゼント

応募締切:2024年12月18日(水)




発行元:株式会社西日本新聞社 ※西日本新聞社の企業情報はこちら