本サイトはプロモーションが含まれています。

ぐらんざ診療所 vol.90 コロナ感染症、引き続き警戒を

ぐらんざ診療所 vol.90 コロナ感染症、引き続き警戒を


 新型コロナウイルス感染予防のためのワクチン接種をする人が5類に移行(2023年5月8日)してから、全国的に減っています。厚生労働省は重症化リスクの高い65歳以上の高齢者にはワクチン接種を検討するよう呼びかけています。しかし、接種率は全国平均で20%、福岡市の場合、15%と聞いています。コロナを含む感染症への警戒感が近年、薄れていると私も危惧しています。

 昨年から今年にかけて、冬場はインフルエンザが大流行しました。これから迎える夏場は新型コロナの感染が広がるかもしれないと心配しています。コロナに感染した患者さんは減ることなく、当院では今もポツポツと受診されています。

 福岡では山笠の頃が要注意だと思っています。たくさんの観光客が祭りを見に来られますし、飲み食いが盛んになります。福岡市では昨年の夏も一時期、コロナの感染拡大が懸念されました。救急搬送される人、入院する人が相次ぎ、救急要請や入院への対応が難しくなりかけたことがありました。幸い、短期間で終わったので混乱はありませんでした。流行を耳にしたら、気に掛けるようにしてください。

 新型コロナウイルスに関してはこれまでワクチン接種を繰り返してきたことで免疫を持つ人が増えてきました。ワクチン接種をした人はコロナに感染しても重症化しにくいことも分かってきました。その効果は、はっきりしています。

 ワクチン接種は5類移行後、有料になりましたが、65歳以上の高齢者の方にはできる限り、接種されるようお願いします。

 ワクチンを打っていない高齢者はコロナにかかると、肺炎を起こし、重症化するリスクが高くなります。後遺症で寝たきりになる人もいます。

 一にも二にも日頃から抵抗力のある体づくりを心がけてください。もし周囲で感染症の流行が始まったら、手洗い、うがいの回数を増やし、人が集まる場所ではマスクを着用しましょう。家庭内の予防には部屋の加湿や換気が有効です。

 コロナに限らず、人に移す恐れのある病気にかかったら、仕事も学校も迷わず休みましょう。患者さん、ご家族はもちろん、会社など職場がそのことを理解し、推奨してほしいと思います。

協力:福岡市医師会

担当医 たかやま内科医院院長
雨宮直子 先生

関連するキーワード


ぐらんざ診療所

関連する投稿





ぐらんざ診療所 vol.85 「ロボット支援下(しえんか)手術」とは

ぐらんざ診療所 vol.85 「ロボット支援下(しえんか)手術」とは

ぐらんざ世代が気になる健康のこと、病気のことを専門医がやさしく解説


ぐらんざ診療所 vol.84 不整脈を感じたら

ぐらんざ診療所 vol.84 不整脈を感じたら

ぐらんざ世代が気になる健康のこと、病気のことを専門医がやさしく解説。


発行元:株式会社西日本新聞社 ※西日本新聞社の企業情報はこちら