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福岡麺人生 8杯目 職人ではなく、料理人 濃厚とんこつ かなで食堂・中華そば かなで

福岡麺人生 8杯目 職人ではなく、料理人 濃厚とんこつ かなで食堂・中華そば かなで


濃厚とんこつ かなで食堂

「濃厚とんこつ かなで食堂」

福岡県春日市須玖南1-182
11:00~22:30/火曜定休

「中華そば かなで」

福岡市博多区東比恵2-8-23
営業時間、定休は同じだが、火曜は「鶏白湯そば まつ尾」として営業。
◎濃厚とんこつ680円 ◎中華そば680円 ◎鶏白湯そば750円

 ラーメン店主といえば〝職人〟という言葉が似合う。一つのことを究めるイメージがあるからだろうか。ただ、今回紹介する松尾龍太郎さん(41)はちょっと違う。2つの店舗でさまざまなタイプのラーメンを手掛け、自身のことを〝料理人〟と呼ぶ。「ラーメンという料理がやりたいんです」。松尾さんはそう語る。

 佐賀県生まれ。大学進学のため上京し、卒業後は広告代理店に就職した。しかし2年で退職。求人雑誌を頼りに飛びこんだのがラーメンチェーン店だった。「お客さんが目の前で喜び、不満も言われるリアルさ」に惹かれてはまった。結局7年働き、エリアマネージャーなどを務めた。

 九州に戻って独立したのは2011年。福岡県春日市に『かなで食堂』をオープンした。豚骨ラーメンを提供する店。ただ「歴史がある店と勝負するには差別化が必要」と濃厚さを追求した。その方法として考えたのが、脂や塩気ではなく、使用する骨の量にこだわること。濃度があるけどキレもある一杯はすぐに人気となった。

 15年には福岡市に進出する。普通は1号店を踏襲するがそうしなかったのが松尾さんらしさだ。「豚骨はいかにも豚骨になる。一方、鶏ベースは可能性が広がる」。2号店『中華そばかなで』では、鶏がらをメインにエビや貝などの魚介を使う中華そばで勝負した。じんわり沁みる柔らかな味わい。しなやかでありつつ歯ごたえがある自家製麺も心地よい。非豚骨ブームにも乗り、こちらも多くのファンを引きつけた。

 それでも松尾さんは変わる。「一つのことをずっとやり続けるのも性に合わない。新しいことをやると自分も、社員もわくわくするでしょ」。昨年2月、2号店の定休日を返上し、『鶏白湯そばまつ尾』という店名で営業を始めた。ブレンダーで泡立てたスープの舌触り。白濁するまで煮立てた濃厚な鶏のだし。合わさる魚介の風味。目にも舌にもおいしい限定メニューは麺好きの話題となった。さらに最近は、すべてのラーメンでうま味調味料の使用をやめるなど今も進化し続けている。

 「料理」を辞書で引くと〈はかりおさめること〉(広辞苑第7版)とある。「どれ位の温度でどれ位の時間かけると一番良くだしが出るかと考える。勘とかでなく僕は理屈っぽいですよ」。そう、やはり松尾さんは料理人なんだと思う。そして、次なる一杯にも期待してしまう。

ラーメン料理人の松尾龍太郎さん

ラーメン料理人の松尾龍太郎さん

文・写真 小川祥平 1977年生まれ。西日本新聞社文化部記者として文芸取材を担当。 麺好きが高じて「ラーメン記者、九州をすする!」を出版。

文・写真 小川祥平
1977年生まれ。西日本新聞社文化部記者として文芸取材を担当。
麺好きが高じて「ラーメン記者、九州をすする!」を出版。

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