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福岡麺人生 15杯目 ラーメンとそうでないものの境目 ラーメン仮面55

福岡麺人生 15杯目 ラーメンとそうでないものの境目 ラーメン仮面55


ラーメン仮面55

「ラーメン仮面55」

福岡市中央区薬院2-13-30
11:30〜17:00、18:00〜22:00 月曜定休
◎エスニックラーメン650円 ◎パニックラーメン750円(写真) ◎正油ラーメン650円

 ラーメンとはどこまでラーメンと呼べるのだろうか。かん水を使った中華麺が必須?動物系などスープに重きを置く人もいるかもしれない。はたまた単純に見た目だけの話なのか。そんなことを考えていると思い浮かぶ店がある。『ラーメン仮面55』は、ラーメンとそうでないものの境を行くような一杯を創り出している。

 看板メニューは、エスニックラーメンとパニックラーメン。前者はターメリック、クミンといったカレースパイスとオリジナルカレーペーストに鶏がらスープを混ぜ、最後にココナッツミルクを入れる。一口すすると辛さより、スパイスの香りが際立つ。ココナッツミルクのまろやかさがその香り、辛さを引き立てる。スープと加水率高めの麺の相性も良いし、チャーシューの代わりに載る揚げた鶏肉も違和感がない。

 さらにエビ出汁が入った激辛ラー油を加えたのがパニックラーメンだ。名前と見た目のインパクトはすごい。ただ、辛さが極端に突き抜けているわけではなく、うまくまとまっているから不思議だ。「一応ラーメン屋のつもりですよ」。スタッフの前田庸さん(46)は笑い、そして続ける。「ただカレー屋の経験しかありませんけどね」

 カレー屋とは福岡市のスリランカカレー店『ヌワラエリヤ』と『ツナパハ』である。昭和が終わりを迎えていた1988年、庸さんの父親で建築家の前田勝利さん(76)はスリランカ人と親しくなり、現地を訪れて多彩なスパイス料理に出合った。行動は速い。その年にスリランカ人コックのルーパーさん(64)を呼び寄せ、福岡の浄水通りでヌワラエリヤをオープンした。

 店は徐々に軌道に乗り、6年後には天神にツナパハを開店、ほどなく本店を赤坂に移した。エスニックラーメンの原型ができたのはちょうどその頃だ。スリランカのスープ「キリホディ」にもビーフンを入れることもあった。「『麺を入れたらおいしいかもよ』って提案したんです」と勝利さん。裏メニューとして提供を始め、評判も上々。ただカレー屋ではやはりカレーのほうがよく売れる。「それなら新しい店を」と2010年末にオープンした。

 開店後も新作を創作している。パニックラーメンもそう。他にもキーマカレーラーメン、正油ラーメン…。その正油ラーメンは見た目は普通だが、カルダモンなどスパイスが効いていて面白い。勝利さんは言う。「ラーメンも建築もクリエイティブなもの。ものづくりとして共通なんですよ」。境目があいまいだからこそ創造する余地がある。そこがラーメンの魅力なのかもしれない。

左から前田さん親子と店長の寿田利絵さん

左から前田さん親子と店長の寿田利絵さん

文・写真 小川祥平 1977年生まれ。西日本新聞社文化部記者。著書に「ラーメン記者、九州をすする!」。KBCラジオ「川上政行 朝からしゃべりずき!」内コーナーで毎月第1月曜にラーメンを語っている。

文・写真 小川祥平
1977年生まれ。西日本新聞社文化部記者。著書に「ラーメン記者、九州をすする!」。KBCラジオ「川上政行 朝からしゃべりずき!」内コーナーで毎月第1月曜にラーメンを語っている。

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