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福岡麺人生 31杯目・焼鳥と共に食す 鳥鶏(とりとり)研究団

福岡麺人生 31杯目・焼鳥と共に食す 鳥鶏(とりとり)研究団


「鳥鶏研究団」
福岡市博多区博多駅前4-18-19
11:30~13:30、17:30~23:00 日曜定休+不定休
塩ラーメン 650円、醤油ラーメン 650円、鶏白湯ラーメン 700円

 この店を麺屋さんとして紹介するのがふさわしいかどうか迷った。というのは基本的に焼鳥を食べに行く店だと思っているからだ。ただ、ラーメンも提供していて、しかもそれがいける。その味を想像していると「やはり取り上げたい」。そう思い至った。

 博多駅から高架線沿いに歩いて10分弱。駅からそう離れてはいないが、繁華街から外れており決して良い立地ではない。それでも予約は取りにくく、いつも多くの客でにぎわう。「通りすがりの人は来ませんよ」とは店主の平田剛さん(45)。別の言い方をすれば「わざわざ足を運ぶ客しかいない」店でもある。

 オープンは2013年。今の店舗から数十メートル離れた、同じく「商売に向かない」場所で始めた。半年サイクルで店が入れ替わっていた物件で、借りる際に「2年は続けて」と言われたほど。平田さんはそれまで老舗焼鳥屋で18年間働いていた。鳥串と豚バラをキャベツに載せる、いわゆる「博多の焼鳥屋」だった。独立後は修業先のようになるかと思いきや、全く別の道を選ぶ。「同じやり方では老舗に勝てないでしょ」。

焼鳥の仕込みをする平田剛さん

 テーマは「鳥を食べ尽くす」。皮、四つ身といった王道の串に加え、レバーとハツの間の「つなぎ」、産卵前の黄身「ちょうちん」など、少量しかとれなかったり、捨てたりする希少部位を揃えた。人気の「そり」は、フランス語の“sot-l'y-laisse”(ソリレス)からきた言葉で「残すのは愚かもの」の意味となる。食べ尽くすからには当然「骨」も使う。和だし、魚介だしを使用せず、鶏がらのみでスープをとるラーメンをメニューに加えた。

 最初の1年半は全く売れなかった。それでも自分のスタイルを貫き、徐々にファンが増えた。昨年6月、ビル解体に伴う移転の際には敢えて近場を選んでいる。「わざわざ来てくれるお客さんに喜んでもらう。そこにやりがいを感じるんです」。

 「研究団」と掲げただけあり、日々改良を重ねる。福岡県産「はかた地どり」をメーンに使っているが、最近は「みやざき地頭鶏」や「高坂鶏」も扱う。ラーメンもそう。「営業しながら変え続けてきた。開店時と今とでは全然違います」と言う。

 そのラーメンは鶏白湯、塩、醤油の3種。パンチのある鶏白湯、糸島の「ミツル醤油」を使った醤油も捨てがたい。ただ今回は塩を推したい。鶏だしスープはあくまであっさり。鶏油の香りを控えめにまとう。加水率高めのつるりとした平麺がさっぱり感を増幅させ、うま味のある焼鳥を味わった舌を優しく包む。

 余韻に浸りながら、平田さんの言葉をかみしめる。「焼鳥だけでも、ラーメンだけでもないですから」。麺屋さんとして紹介したが、ぜひ焼鳥と共に食べてほしい。


文・写真 小川祥平
1977年生まれ。西日本新聞社くらし文化部。
著書に「ラーメン記者、九州をすする!」。

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