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特集 ちょっとためになる イチョウの話

特集 ちょっとためになる イチョウの話


秋の景色を彩る代表的な樹木のひとつ、イチョウ。
身近な風景の中にありながら、知れば知るほどに頼もしい存在なのです。
私たちが毎日何げなく通り過ぎるイチョウの木。
今日からもっと愛おしくなるかもしれません。

街路樹にイチョウの木 多いのはなぜ?

 イチョウは一科一属一種の中国原産の落葉性大高木で、およそ高さ30m、
直径2mに成長します。
 日本では街路樹や公園樹などに観賞用として、また、寺院や神社の境内にも多く植えられています。成長が早く環境の変化にも強いことに加え、樹皮が固く幹や枝葉に水分を豊富に含むため燃えにくく、大木に育って風を遮ることから、防火、防風のためにも植えられてきました。
 関東大震災の大火事の際、境内のイチョウの木のおかげで浅草寺が燃えなかったという話や、本能寺の「火伏せのイチョウ」の話も有名です。
 イチョウは雌雄異株で、メスの木はぎんなんと呼ばれるオレンジ色の実をつけ、秋になると悪臭を放ちながら熟します。
 実が落ちると街路が汚れてしまうため、今では雄の木を選んで植えられているそうです。

樹齢1000年以上も 注目のイチョウパワー

 2億年近くも生息し「生きた化石」とも言われるイチョウは生命力が強く、ぎんなんは昔から滋養のある食べ物として、漢方薬に利用されてきました。
  イチョウの葉はヨーロッパ諸国でも研究が進んでいて、抗酸化作用、血液凝固抑制作用をはじめ、近年では認知症にも効果があるといわれ注目されています。

イチョウの葉に含まれるシキミ酸には抗菌・防虫効果があります。本にしおり代わりに挟んでおくと、紙などを食べる虫(紙魚(しみ))除けにもなります。

他の木材と比べ歪んだり反ったりすることが少なく人気の木材。水に強く天然の抗菌力があるため、まな板の材料としても重宝されています。

オレンジ色の実に触ると皮膚炎になるので要注意。私たちが食べるぎんなんはこの外果皮を取り除き、固い殻の核を割った中にある「仁(じん)」と呼ばれる部分。

ぎんなんはメトキシピリドキシンを多く含むので、大量に食べると中毒症状を起こすことも。個人差もありますが大人は10粒以内、子どもは1~2粒程度が無難。

もっと知りたい おいしいぎんなん

旬は9月下旬~11月頃

選び方

新鮮なぎんなんはきれいな緑色=翡翠色(ひすいいろ)をしていて、食感もモチモチ。時間がたつにつれ黄色になり臭いもきつくなるので注意。殻付きの場合は表面がよく乾いていて、振ってもコロコロと音がしないものを選ぼう。

調理方法

長封筒に殻付きのぎんなんを入れる。加熱すると破裂するため、封筒の口を3回しっかりと折り、600Wの電子レンジで40秒~1分加熱。殻と薄皮をむく。

保存方法

そのまま常温・冷蔵保存すると、固くなったり痛んだりするので冷凍保存がおすすめ。殻付きは、そのまま冷凍保存袋に入れ、軽く空気を抜いて口を閉じ冷凍庫へ。1〜2カ月ほど保存可。加熱して殻と薄皮をむいたぎんなんは、数個ずつラップで包んで冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。約1カ月保存可。食べる時は凍ったまま調理OK。

拾ったものは?

オレンジ色の実を拾う時は、必ずゴム手袋や火ばさみなどを使用する。水を張ったボウルに実を入れ、ぶよぶよにふやけるまで浸けておく。ゴム手袋をして実をくずし、種(核)を取り出す。臭いが気になるなら冷凍保存袋に入れて密封し、袋の外からくずしていくとよい。取り出した種はよく洗い天日で2~3日程度乾かす。

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