
そもそも免疫とは?
私たちの体を細菌やウイルスなどの病原体やがん細胞の増殖などから守っているのが免疫です。自分の細胞と異物(抗原)を見分け、異物を取り除こうとする反応を免疫反応といいます。
ウイルスや細菌などの病原体が体の中に入ってきた時、最初の防衛ラインとなるのが、好中球、マクロファージ、NK(ナチュラルキラー)細胞などの「自然免疫」です。これらの細胞は病原体を飲み込んだり、感染した細胞を壊したりすることで、感染を広げないように働いています。
異物から体を守るための第2の防衛ラインとなるのが「獲得免疫」です。体の中に同じ種類の異物が2度目に侵入してくると、リンパ球(T細胞、B細胞)が記憶した情報を使って効率よく見つけ出し、素早い免疫反応を起こします。
これらのさまざまな免疫細胞が体内を移動し、抗原を処理しながら、体を健康な状態に保ってくれています。
自然免疫と獲得免疫の違い

免疫力を低下させるリスクのあるもの
免疫力はさまざまな要因によって大きく影響を受けることが知られています。その一つが「加齢」。思春期にピークを迎え、20歳を過ぎると徐々に低下し始め、40代でピーク時の約50%、70代では10%台まで低下する人もいます。また、下記のように生活の中にも免疫力を低下させる要因があります。季節替わりや寒暖差などの気温変化による自律神経の乱れにも注意が必要です。

免疫力アップのカギは NK細胞の活性化
免疫力は何歳からでも高められることをご存知ですか? 免疫力を高めるカギとなるのが、自然免疫の一つ、"NK細胞の活性化"です。NK細胞の活性度は常に一定ではなく、生活習慣によってパワーダウンもします。
NK細胞を活性化するには、生活習慣を見直すことからはじめるとよいでしょう。例えば栄養バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動など、日々の心がけで、免疫力をアップすることができます。
また、腸は免疫細胞の約70%が集まっている人体で最大の免疫器官です。日頃から腸の調子を整えておくことが、健康への近道になります。
多忙で毎日の食事に気をつけるのが難しい場合や、加齢による食欲低下など栄養バランスが気になる人は免疫力強化をうたう機能性食品やサプリメントなどで補うのも良いでしょう。
免疫力の維持・向上は健康維持の重要なポイントです。なにかと心配なこの季節は、意識して免疫力を高める生活を心掛けましょう。
NK細胞を活性化するために 効果的なこと
■腸内環境を整える
乳酸菌や発酵食品 食物繊維を積極的に摂取する

口から摂取したものは良いものも悪いものも全て腸に運ばれるため、腸には免疫細胞が最も多く集まっています。腸内細菌のバランスが良いと、免疫細胞が活性化されます。
■自律神経を整える
ストレスを上手に発散し 生活リズムを整える

NK細胞は、心身がリラックスして自律神経が安定している状態では活性化し、精神的なストレスなどで交感神経が緊張・興奮状態で働き続けるとパワーダウンします。
■基礎代謝を上げる
筋肉量を増やす 基礎体温を高める

基礎代謝とは生命活動に大切なエネルギーを生成し消費すること。およそ10代をピークに加齢と共に落ちていきます。そのため意識的に基礎代謝を上げる体づくりが必要です。
「冷え」は大敵!体温は免疫力のバロメーター
免疫力が高まる体温は、36.5~37.0℃といわれていて、体温が1℃下がると、免疫力はおよそ30%もダウンすることがわかっています。まずは自分の平熱をチェックしてみましょう。冬は特に、体を冷やさないよう注意が必要です。免疫細胞は血液とリンパ液にのって体中を巡って作用しているので、体を温めて血流を促すことも免疫力アップにつながります。
