Ⓒ2023 「こんにちは、母さん」製作委員会
「母べえ」「母と暮せば」に続く山田洋次監督の「母」三部作
時代と共に家族の姿を描き続けてきた山田洋次監督の91歳にして90本目の作品「こんにちは、母さん」。主演として下町に暮らす母・福江を演じたのは、約50年にわたって山田監督作品に出演し、本作で映画出演123本目となる吉永小百合さん。その息子・昭夫役として、本作で山田監督作品に初参加、吉永さんとも初共演を果たした大泉洋さんは、オファーを受けた時の心境を振り返ります。
「とにかくびっくりしました。山田洋次監督も吉永小百合さんも憧れの人。そんなお2人とご一緒できることがただただ光栄で、最初にオファーの話を聞いた時は驚き以外の何もなかったです。」
昭夫に感じる共通点 母への想い
今回演じた昭夫について、大泉さん自身、共通点を感じるところがあったそうです。
「自分のことを抑えて相手を優先してしまうところなど、随所で自分と似ていると思いました。昭夫は、特別な人ではなく、いつも悩んでいる感じがします。今の社会の中では、誰もが共感できる人。そして、過度に傷つくのが怖い人です。その反面、親に対しては甘えていて怒ったり強がったりと内弁慶なところがあります。そんな昭夫だから、母親であってほしい、母親でいてくれないと困る『母』が恋をしてしまったことで、見たくなかった女性の部分を見てしまい強い戸惑いが隠せないのだと思います。」
印象的だった吉永小百合さんとの終盤の場面
福江と昭夫が親子2人きりでじっくり話をする終盤の場面は、大泉さんにとって何とも思い出深く印象的だったそうです。
「真っ暗な部屋の中で酔っぱらっている見たことのない母の姿を見て、とてもかわいそうに思いながら、どこかほっとしている。同時に昭夫も色々なものを失って母を頼りにすることになるのですが、頼りにすることによって落ち込んだ母を元気づけていて、母は生きる力を取り戻す。優しくするだけが愛情ではないんですよね。『ゆっくり休んでほしい』ということよりも、『まだまだ頼りにしている』という形の優しさもある。それを感じ取ることができるのが親子だなと感じました。」
見終わった後にソワソワするような、温かい気持ちになるような、家庭劇でありながらどこかスリリングでハラハラしてしまう部分もあり、何故か不思議と熱いものを感じて「頑張ってみようか」とも思える。「こんにちは、母さん」は、そんな何とも言えない面白さをもった母と息子の新たな出発の物語です。
■映画「こんにちは、母さん」
9月1日(金)より
T・ジョイ博多、ユナイテッド・シネマキャナルシティ13、ユナイテッド・シネマ福岡ももち、TOHOシネマズららぽーと福岡、福岡中洲大洋、イオンシネマ戸畑、小倉コロナシネマワールド、シネプレックス小倉、T・ジョイ久留米 ほかにて公開