新型コロナウイルス感染症の拡大による行動制限が、私たちの日常生活にもさまざまな変化をもたらしました。
厚生労働省の調査によると「運動量が減少した人」は39.1%、「ゲームをする時間が増えた人」は18.6%でした。テレワークの導入などもあり、多くの人の運動不足が指摘されています。
コロナ禍では、食事の配達やテイクアウトの利用が増えたことから、食塩の過剰摂取や体重の増加などを招いています。コロナが落ち着き始めた今こそ、生活習慣の改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。
食塩の制限は一日あたり6グラム以下を心がけてください。野菜や果物を積極的に食べましょう。オリーブオイルなどの植物性油、低脂肪乳製品を摂取して、適正な体重を維持しましょう。そのためにも、ウオーキングや自転車こぎなどの有酸素運動がお勧めです。
政府のガイドラインでは、新型コロナウイルス感染症が2類から5類(インフルエンザと同等の扱い)となったことによって、マスクの着用は、個人の判断に任せることになりました。
しかし、コロナウイルス自体、強い感染力があることに変わりはありません。重症化リスクの高い人(例えば、高齢者や基礎疾患がある人、妊婦さんなど)は、自分の体を守るため、外出時や、デイサービスなど高齢者施設、医療機関、薬局などを訪れるときは、しばらくの間、マスクの着用を継続することをお勧めします。
発熱や咽頭痛など風邪の症状が出て、新型コロナウイルスに感染したかもしれないと思ったら、抗原定性検査キットでチェックしてみてください。わからないことがあれば、医療機関や行政の相談ダイヤルに電話してください。自宅には普段から風邪薬や解熱剤を常備しておくようにしましょう。
気温が高くなるこれからの季節は、昼間の外出に注意が必要です。暑い日中を避けて涼しい時間帯を選んで、散歩をしてみてはどうでしょうか。毎日15分程度の散歩で良いと思います。散歩は睡眠不足やストレスの解消にも有効です。夏場は室内でも熱中症になります。エアコンをうまく使い、こまめに水分を取るようにしてください。
担当医
おだ内科クリニック院長
小田俊一(おだとしかず)先生
協力:福岡市医師会