胃カメラや大腸カメラの検査を定期的に受けていますか? 早期がん発見に有効な検査ですが、怖さを感じて敬遠している人もいるのではないでしょうか。
胃カメラが導入された当初は、固い棒の先にカメラを取り付けたものでしたが、現在は柔軟なスコープの先端にCCDと呼ばれるイメージセンサーを取り付けた電子内視鏡で検査を行います。口から挿入する経口内視鏡の太さは10㎜、鼻から挿入する経鼻内視鏡の太さは6㎜程度で小型化が進み、負担が軽くなっています。さらに経口内視鏡や肛門から内視鏡を挿入する大腸カメラは鎮静剤を使って眠っているような状態で、経鼻内視鏡なら局所麻酔を使って検査をすることが一般的で、痛みを感じにくくなっています。
鎮静剤を用いた場合、検査後も効果が持続することがあるため、当日は車の運転等は控えましょう。局所麻酔の場合は、検査後に麻酔の影響がほぼないため運転も可能です。
病院によっては消化管の検査にバリウムを用いたレントゲン検査をすることもあります。内視鏡検査の場合は、レントゲン検査では発見できない微細な早期がんを見つけることができますが、検査の精度は担当する技師の技量に左右されます。一方のレントゲン検査は、レントゲン写真を複数の医師が確認するため客観的に病変を見つけることができます。どちらにもメリット、デメリットがあるため、まずは内視鏡検査を行って、病変が見つかれば精密検査としてレントゲン検査を行う病院が多いようです。
早めに病気を見つけるために1年に1回は内視鏡検査を行うほか、異変を感じたときも検査することをおすすめします。例えば、食べたものが詰まる感じ(食道がん)、おなかが張る(胃がん)、血便・便秘・便が細くなる(大腸がん)という症状は、比較的進行したがんで見ることが多い症状でもあります。しかし、進行がんだからと悲観することはありません。近年は進行がんに対しても積極的な治療を行うことで生存率が高まっています。検査をすることが治療の始まりです。
担当医
医療法人 佐藤クリニック
消化器科
佐藤 茂(さとうしげる)理事長・院長
協力:福岡市医師会