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福岡市博物館 ミイラ 「永遠の命」を求めて

福岡市博物館 ミイラ 「永遠の命」を求めて

~6月27日(日)


世界各地のミイラ42体が福岡に! 最新研究から考える“命”とは

 万病に効く高価な輸入薬、それがミイラの語源といわれます。謎に包まれた姿が、科学的に解き明かされるようになったのは、20世紀後半になってからでした。

 ミイラで真っ先に思い浮かぶのが古代エジプトです。乾燥した気候の助けもあって、内臓を取り除いて防腐処理を施すミイラづくりの技法が、数千年にわたって進化しました。巨大なピラミッドの奥深くに眠る王族だけでなく、庶民も動物もミイラになります。下の写真『ネコのミイラ』は、紐をまきつけた体に、亜麻布で口と耳が付け足されています。愛の女神と関連づけられるだけあって、愛らしさも漂います。

 気候的にエジプトと正反対の冷涼な湿地で見つかったミイラもあります。日本で初公開の『ウェーリンゲメン』は、オランダの湿原で1904年に発見されました。当初は男女のペアと考えられていましたが、その後の分析で、いずれも男性と確認されました。放射性炭素による年代測定で、亡くなったのは紀元前40~50年頃と見られています。なぜふたりが一緒なのかは不明です。

 高温多湿の太平洋の島々にもミイラの文化がありました。パプアニューギニアでは、指導者や祖先を崇拝するため、頭蓋骨を粘土や樹脂で装飾し、生前の顔つきを再現する風習がありました。左下の『肖像頭蓋骨(しょうぞうずがいこつ)』は、目に貝をはめ込んで、祭のペインティングが施されています。この他、日本の即身仏や南米のミイラなど、今回はあわせて42体が紹介されます。

 ミイラの解明をあと押ししたのは、布に覆われたまま透視できるCT撮影や、遺伝情報がわかるDNA分析といった最先端技術でした。避けることのできない“死”に、人類はどう向き合ってきたのか。“ミイラを科学する”ことは、終活ブームの現代を生きる私たちにも、様々なヒントを与えてくれそうです。

写真右上
・ネコのミイラ レーマー・ペリツェウス博物館
ROEMER-UND PELIZAEUS-MUSEUM HILDESHEIM

写真左上
・ウェーリンゲメン ドレンテ博物館
DRENTS MUSEUM, ASSEN, THE NETHERLANDS.

・肖像頭蓋骨 レーマー・ペリツェウス博物館
ROEMER-UND PELIZAEUS-MUSEUM HILDESHEIM


繁竹治顕
元NHK記者。’93年全米オープンゴルフ、’94年リレハンメル冬季五輪、2000年シドニー五輪などを取材。福岡放送局広報事業部長、副局長。現在、九州国立博物館振興財団専務理事。西南学院大学非常勤講師(ジャーナリズム)

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九州国立博物館

御大典記念 特別展 よみがえる正倉院宝物 -再現模造にみる天平の技-

模造 螺鈿紫檀五絃琵琶
正倉院事務所蔵

4月20日(火)~6月13日(日)
●一般  1,600円
●高大生 1,000円
●小中生 600円
休館日/月曜(5月3日(月祝)は開館)
☎050・5542・8600(ハローダイヤル)

福岡市博物館

ミイラ 「永遠の命」を求めて

ペンジュの棺
レーマー・ペリツェウス博物館
ROEMER- UND PELIZAEUS-
MUSEUM HILDESHEIM

~6月27日(日)
●一般  1,600円
●中高生 1,200円
●小学生  600円
休館日/月曜
(5月3日は開館・5月6日(木)休館)
人数制限があるため、土日祝は
博物館HPからのオンライン予約を推奨
☎092・711・5491

福岡市美術館

高畑勲展 〜日本のアニメーションに遺したもの〜

4月29日(木祝)~7月18日(日)
●一般  1,500円
●高大生 1,000円
●小中生 600円
休館日/月曜(5月3日(月祝)開館、
5月6日(木)休館)
☎092・714・6051

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