【ぐらんざ人】俳優 柚香 光(ゆずか れい)さん

　宝塚歌劇団花組のトップスターを５年にわたり務め、昨年５月に惜しまれつつ退団した柚香光さん。『十二国記 ︱月の影 影の海︱』で本格ミュージカル初主演、２０２６年の博多座の幕開けを飾ります。「十二国記」は、熱烈な支持を受けながら30年以上にわたり書き継がれている小野不由美の大河ファンタジー小説。シリーズ累計１３００万部を超えるこの大人気作が世界で初めてミュージカル化されます。
※２０２５年１月現在

　「十二国記」は、我々が住む世界と地球上には存在しない異界とを舞台に繰り広げられる壮大な物語です。普通の女子高生・中嶋陽子が異界に連れ去られ、厳しい試練に立ち向かいながら懸命に生きる─。この中嶋陽子を、異界に連れ去られた後の「ヨウコ」として柚香光さんが、我々が住む世界の「陽子」として加藤梨里香さんの２人が演じます。

　「過酷な運命に立ち向かうヨウコは、裏切られ続けて不信に陥ることもありますが、負のスパイラルに飲み込まれることなく、苦難を乗り越えて成長していきます。物事の捉え方や、人間性が素晴らしく、自分もそうなりたいと思い憧れます」
　ダブルキャストではなく、中嶋陽子という１人を同じ舞台上で２人が演じる本作。

　「心情の吐露や自問自答するシーンが、素晴らしい音楽と共に２人の陽子の掛け合いで展開されるのが、この作品の面白さ」と語る柚香さん。１人の登場人物がデュエットする珍しい演出や、ミュージカルならではの音楽表現が、異界という特別な空間へいざないます。

　世界中にファンがいる作品の世界初演で座長を務めることは、想像を超えるプレッシャー。
　「光栄で身の引き締まる思いです。『中嶋陽子』を追求して役作りをし、原作ファンの皆さまに『これが観たかった』と心から思っていただけるように、敬意を持って誠実に、作品に向かっていきたいと思っております。そして、『もっともっと観たい』『もっともっと続いてほしい』と思っていただけるような公演にしたいと意気込んでおります」

　知らぬ間に引き込まれる世界観に、観る人が自分に言われているのではないかと感じるようなセリフの数々、そして、宝塚歌劇団時代に培った殺陣も楽しみにしてもらいたいと印象的なまなざしで話す柚香さん。その凛としたたたずまいは、既にヨウコそのものです。

博多座2階広場の正面にございます。(10:00~17:00)

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