NODA・MAPが新作をひっさげてついに博多座初登場
新作のタイトルは『兎、波を走る』。物語の設定は「“潰れかかった遊園地”を舞台に繰り広げられる“劇中劇(ショー)”」。この何やら新鮮で心をざわつかせる新作に招集されたのが、高橋一生さん。同じくNODA・MAP作品『フェイクスピア』で堂々の主演を務め、およそ2年ぶりの野田作品への参加です。
高い評価を得た『フェイクスピア』
「これまでとお芝居を変えたかというとそうでもなかったのですが自分が俳優として考えた時に、自分では内外含めてこうするべきということを全て『フェイクスピア』に投影できました。それを評価していただけるのは、子供のように嬉しかったです」
今回、野田作品の話が立て続けにあっていかがでしたか?
「野田さんとご一緒できるのは、10年くらい前の僕からしたら夢のような話。10年前に野田さんのお芝居を見て“おもしろいなぁ”と思っていた自分が、今この歳になって野田さんとご一緒できるというのは感慨深いですね」
演じることが「楽しくてしょうがない」
「『フェイクスピア』から今回までの期間で、自分はお芝居が好きだということをあらためて認識させられました。スタッフ一人一人が作品を面白いと思って一丸になって作り上げる現場でやれることは本当に楽しいです」という高橋一生さん。野田作品に参加することにより、演劇の魅力をますます感じているそうです。
「演劇は1年に1本ぐらいやった方が良い。性にもあっています。そして、忖度抜きにしてお芝居を見てくれる人が間近にいてくれた方が良い。「高橋一生だから」ということを考えながらやらなくてはいけない人より、お芝居の本質を見ながら一緒に作っていってくれてる方々がそばにいてくれることが幸せです」
謎のベールに包まれた野田秀樹ワールド
物語が進むにつれ、まるで遊園地のジェットコースターに乗り込んだかのように目まぐるしく展開するという『兎、波を走る』。
松たか子さんや多部未華子さんをはじめ、個性豊かな豪華キャストも集結した本作の見どころについて高橋さんに伺いました。
「どこが面白いと感じるかは人それぞれ。本能のままに楽しんでもらえれば。こちらも楽しくやっているので、肩ひじ張らずにいつものように見てほしいです。泣いたり笑ったり、心を動かされる場面は人それぞれなので純粋にこの演劇の世界に没入して、その場を充実したものにしていただけると嬉しいです」
まるで水を得た魚のように、自らが演じることを全力で楽しむ高橋一生さん。今作品でも「演劇でないとできない」という映像とはまた違う一面を惜しみなく見せてくれることでしょう。今後の高橋一生さんの活躍に、期待が高まります。