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福岡市美術館 ミュシャ展 マルチ・アーティストの先駆者

福岡市美術館 ミュシャ展 マルチ・アーティストの先駆者

6月4日(日)まで開催中


近代都市文化をリードしたデザイナー 生活の記録にオリジナル作品も

 巧みなデザインが、世紀を超えて人々を魅了し続けています。アルフォンス・ミュシャは、ポスターやパネル、カレンダーに本の挿絵、ポストカード、お菓子や香水の容器と、市民生活のさまざまなモノにデザインを提供したマルチ・アーティストです。活躍の舞台は19世紀末のパリ、万博開催にエッフェル塔の建設と近代都市文化が花開き、ベル・エポック(美しき時代)と呼ばれました。

 ミュシャ・スタイルとも呼ばれる華麗で繊細な女性の姿は、左の写真・装飾皿『ビザンティン風の頭部:ブルネット』にも描かれています。大きな髪飾りをつけた女性の横顔は、オリエントのイメージが漂います。エナメル塗装はガラス装飾にも使われた技法で、科学技術の発達がさまざまな素材での美術表現を可能にしました。当時人気となったジャポニズムのように、美の意識も多様になります。

 市民の食生活も変わりました。かつては貴族の食べ物だったビスケットは、大量生産が可能になり、缶入りで売り出されました。ご覧の四角い箱は『ルフェーヴル=ウティール社ビスケット(ブドワール)缶のパッケージ』です。絵だけでなく、ビスケットという商品の表記や会社名の文字もデザインの対象となりました。グラフィック・デザインの先駆けです。会社名は変わりましたが、頭文字をとった“LU”ブランドのビスケットは、今も世界で人気です。

 大量に消費されるデザインの一方で、1点しかない作品もあります。写真の油彩画『エリシュカ』は、一連の作品の繊細なイメージとはちょっと違っています。モデルのエリシュカは、友人の建築家の幼いころから知っている16歳の娘で、贈り物として描かれました。今回展示されるミュシャの故郷・チェコ在住のチマル博士のコレクションは、自身の写真や素描を含めて、こうしたオリジナル作品が多いことも特徴です。

 ミュシャの作品は現代のアニメにも通じるといわれます。消費社会を生きる私たちにとって、市民生活とデザインとのかかわりを探ることができる興味深い展覧会です。

油彩画「エリシュカ」
1932年/チマル・コレクション

装飾皿「ビザンティン風の頭部:ブルネット」
1898年/チマル・コレクション

ルフェーヴル=ウティール社ビスケット(ブドワール)缶のパッケージ 1900年/チマル・コレクション


繁竹治顕
元NHK記者。’93年全米オープンゴルフ、’94年リレハンメル冬季五輪、2000年シドニー五輪などを取材。福岡放送局広報事業部長、副局長。現在、九州国立博物館振興財団専務理事。

福岡近郊博物館・美術館のスケジュール

※( )内の料金は、特別・前売り・団体料金、詳細はお問合せください

九州国立博物館

特別展 アール・ヌーヴォーのガラス ガレとドームの自然賛歌

菊にカマキリ文月光色鉢
エミール・ガレ 1884-1889年
北澤美術館

~6月11日(日)
●一 般 1,700円
●高大生 1,000円
●小中生 600円
休館日/月曜(5月1日(月)は開館)
☎050・5542・8600(ハローダイヤル)

福岡アジア美術館

古代エジプト美術館展

~5月28日(日)
●一 般 1,600円
●高大生 1,300円
●小中生 800円
休館日:水曜(ただし、5月3日(水・祝)
は開館、5月8日(月)は閉館)
☎092・711・5491
(平日9:00〜17:30)
(西日本新聞イベントサービス内)

福岡市美術館

ミュシャ展 マルチ・アーティストの先駆者

~6月4日(日)
●一 般 1,700円(1,500円)
●高大生 1,000円(800円)
●小中生 600円(400円)
休館日/月曜☎092・711・5491
(平日9:30〜17:30)
(西日本新聞イベントサービス内)

北九州市立美術館 本館

スイス プチ・パレ美術館展 ルノワール、ユトリロから 藤田嗣治まで

4月22日(土)~6月18日(日)
●一 般 1,500円(1,200円)
●高大生 1,000円(800円)
●小中生  800円(600円)
休館日/月曜
☎093・882・7777

福岡市科学館

特別展 「特撮のDNA-ゴジラ 特撮の科学展-」

~5月14日(日)
●一 般 1,400円(1,300円)
●高校生 1,000円(900円)
●小中生  500円(400円)
休館日/火曜
(ゴールデンウィーク中は毎日開館)
☎092・731・2525


●新型コロナウィルス感染拡大防止のため、休館・展覧会が中止・延期される場合があります。
 お出かけ前に各施設のホームページなどで確認してください。

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