映画『ラブ×ドック』
監督・脚本:鈴木おさむ
出演:吉田 羊、野村周平、吉田鋼太郎(特別出演)、玉木 宏 ほか
◎ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13 ほか全国にて上映中
3人のお相手どなたを選ぶ!?
みなさん、危険な恋はお好きですか?
例えば、上司との不倫、一回り以上年下、友達が好きな人…とか。本作『ラブ×ドック』は前述のリスキーな恋にまっすぐに挑んでいくアラフォー女子の奮闘ぶりを描いた大人のラブコメ。主人公の恋多きパティシエ・剛田飛鳥を演じる女優・吉田 羊さんに話を伺った。
「不倫、年下、友達の好きな人との恋は、実は誰もがちょっと興味はあるんだけど、もう一歩踏み出せない恋愛の3パターンではないでしょうか。だからこそ、ご自身を飛鳥さんに投影して疑似恋愛を楽しんでいただければと思います。飛鳥さんは仕事においては一見、計算高いようでいて実はきちんと努力を積み重ねている人、恋愛においては不器用だけど自分の心に正直に生きているチャーミングな女性。バカだなぁって思いながら、つい応援したくなるような、ね」
さらに3人の相手役に対しての印象を聞いてみた。
「年下のパティシエ花田星矢役の野村周平さん、親友が恋しているジムトレーナー野村俊介役の玉木 宏さん、不倫相手のカリスマパティシエ淡井淳治役の吉田鋼太郎さん、皆さん三者三様にとても誠実に、感情をリアルに乗せて真剣に演じてくださったことで、私もうまくそれに乗っかって演じることができました。コメディって実は、演じるのが難しくて、おもしろくしようとする意図が見えた瞬間にすっと冷めちゃうものなので」
「ところで、この3人の中でお付き合いしたいのは?」との問いには「不倫でなければ淡井(吉田鋼太郎)さん」と即答。
「ああいう歯の浮くようなセリフを大真面目に説得力を持って言えるってすごくユーモラス!私は生きていく上でユーモアがいちばん必要だと思っていて、こんな人といると毎日が楽しいだろうなと。それにセクシーだし。人生、おもしろがって生きた方が楽しいはず。一度きりの人生だから悲しんで生きるより、悲しみをユーモアに変換していけるといいですよね。変換できるかどうかは意外と自分の考え方次第だし、それに気づけた人が人生を楽しくできるような気がします」
人生に無駄な恋なんてない
「『人生に無駄な恋なんてない』と飛鳥さんも言ってますが、私自身も恋に限らず、人生に無駄なことはないと思っています。飛び込んでみなければ、そこに何があるかわからないし、たとえ失恋して傷ついても、その人を愛したことでしか得られなかった感情って絶対にあると思う。だったらいっそ飛び込んで、喜びも悲しみも併せ呑んでこその自分の人生だと考えれば、またひとつ強くなって次の恋に向かっていくだけの力がつくんじゃないかと思うんです」という吉田さんは、さらに言葉を重ねた。
「いくつになっても恋はできるし、人を愛おしく思う気持ちに年齢なんて関係ないと思います。人生経験豊かな皆さんにもぜひ観ていただきたいです。そして帰り道に『あんなこともあったね』なんて話に花が咲いたらいいなと思います」
西岡裕子=文
text:Hiroko Nishioka