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中冨記念くすり博物館

中冨記念くすり博物館


くすりの歴史と文化を、見て香って体感! “日本四大売薬”の地から生まれたヒット商品も

アルバン・アトキン薬局

 腰痛や肩こりに膏薬(こうやく)、カスミ目には目薬、疲労回復にドリンク剤、時に飲み過ぎれば胃腸薬。病気でなくても現代社会を生き抜くために、薬は必須アイテムです。そんな私たちの“くすり文化”をやさしく解説してくれるのが、鳥栖市にある中冨記念くすり博物館です。

柳行李

 写真の柳行李(やなぎごうり)には、ぎっしりと薬が詰まっています。重さは20キロもあり、今ならキャリーケースで引っ張るところですが、江戸時代の薬売りはこれを背負って行商しました。こうした薬売りの一大拠点だったのが、博物館がある田代(たじろ)地区です。富山、大和(奈良)、近江(滋賀)と並んで「日本四大売薬」の地と呼ばれました。

 販売方法も独特でした。客の家を訪れるのは半年か1年に1回、その間にどんな薬が必要になるかわかりません。そこで客に様々な薬を預け、次に来た時に使った薬の代金を集金するという商法でした。家庭の置き薬のルーツといえそうです。

朝日万金膏
写真提供/中冨記念くすり博物館

 明治の富国強兵の時代、この地からヒット商品が生まれました。写真の朝日万金膏(あさひまんきんこう)です。和紙に薬を延ばした膏薬は、ロール式の機械で大量生産が可能になったことで、鉄道工事などで体を酷使する作業員の間で人気になり、販路が広がりました。その後のスペイン風邪の流行では、発熱による関節痛を和らげると更に評判が高まったといいます。

 イギリス・ロンドンからそっくり移設したのが、アルバン・アトキン薬局です。開業は1897年、名探偵シャーロック・ホームズが活躍した時代と重なります。壁の棚にずらりと並んだ瓶から薬を調合する様子が、プロジェクションマッピングで体感できます。

 絵で遊べるバーチャル薬草園や香りを確かめられる薬草の展示など、1年前のリニューアルで多様な楽しみ方ができるようになりました。約350種類を栽培する薬木薬草園は季節に応じて、フォトコンテストも開かれます。

 小さいながら魅力満載の博物館です。コロナ禍に喘ぐ今だからこそ、くすりの歴史と文化を垣間見てはいかがでしょうか。

■公益財団法人中冨記念財団
 中冨記念くすり博物館
 入館料
 ●大  人 300円
 ●高・大生 200円
 ●小・中生 100円
 休館日/月曜(祝日の場合は翌日)年末年始・その他臨時休館あり
 ☎0942・84・3334


繁竹治顕
元NHK記者。’93年全米オープンゴルフ、’94年リレハンメル冬季五輪、2000年シドニー五輪などを取材。福岡放送局広報事業部長、副局長。現在、九州国立博物館振興財団専務理事。

福岡近郊博物館・美術館のスケジュール

※( )内の料金は、特別・前売り・団体料金、詳細はお問合せください

九州国立博物館

特別展「北斎」

~6月12日(日)
●一 般 1,800円
●高大生 1,000円
●小中生 600円
休館日/月曜
☎050・5542・8600(ハローダイヤル)

※夜間開館についてはHPでご確認下さい

福岡市博物館

ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展

ホルの外観
Image
Ⓒ Rijksmuseum van
Oudheden
(Leiden,the Netherlands)

~6月19日(日)
●一 般 1,800円
●中高生 1,200円
●小学生 600円
休館日/⽉曜
☎092・845・5011

福岡県立美術館

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