オフ会にチャレンジした
35年前に製造されたホンダのスーパーカブ90に乗っている。1月号のこのコーナーで大口を開けてインスタントラーメンを頬張る私の後ろに小さく写っている。そのスーパーカブに乗って、カブ愛好者が集まるSNSのオフ会に参加した。
まずうんちくを傾ける。スーパーカブは本田技研工業が世界15カ国16拠点で生産、160の国・地域で年間300万台販売されているそうだ。2017年には世界中で累計生産台数が1億台に達してもいる。猛烈によい燃費と耐久性にひかれ35年前に通勤用に購入した。今や成人して会社員になった3人の息子がそれぞれ通学に使い、わが家のファミリーバイクと言っていい存在だ。長く車庫に棲み着いているので愛着もわく。大きな荷物を積めるようにしたりタイヤを交換したり、メンテナンスをするうちにSNS上に愛好者が大勢いることも知った。今回、オフ会におじゃましたのは地元福岡市のカブ主(カブ所有者のこと)数人が2019年に集まり発足した「博多カブクラブ」だ。
梅雨の合間の日曜日の朝、集合場所の福岡市中央区のかもめ広場に次から次に来るわ来るわで50台近く福岡県内のカブとカブ主が集まった。多い時は70台近くになるそうだが、旧車カブや最新型までがそろうのは壮観だった。私を含めて何人かが初参加だったが〝カブ主〟という共通項で、ずっと前からの知り合いのように意見交換や情報交換が午前中いっぱい続いた。博多カブクラブの主催者でもある博多ラットカブさん(インスタ名)は、3年前からのリターンライダーでカブ歴は3年だが、現在1964年製の〝博物館級〟を含め8台のカブを所有する九州を代表するカブ主でもあった。
私より年長とおぼしきシニア層も大勢いたし、20代の若者や女性もいた。原付二種(125㏄以下)と原付(50㏄)の形式やバリエーションも豊富で、職種や世代を超えてとっつきやすいのがカブのいいところだ。3~4段の変速機も付いているが、クラッチレバーがないためオートマのカテゴリーに入る。スピードを出さずにゆったり乗っているとホンダの「Do you have a HONDA?」キャンペーンソングとして使われたザ・ハイロウズの「日曜日よりの使者」を口ずさみたくなる。
文・写真 岡ちゃん(岡田雄希)
元西日本新聞記者。スポーツ取材などを経験し、現在ブログやユーチューブなどに趣味や遊びを投稿し人生をエンジョイするぐらんざ世代。