本サイトはプロモーションが含まれています。

ぐらんざ診療所 vol.77 乳がん死ゼロを目指して

ぐらんざ診療所 vol.77 乳がん死ゼロを目指して


女性が発症するがんで一番多い乳がん。患者数は増加傾向にあり、年間約9万8千人(およそ9人に1人)が罹患しています。5年生存率は約92%と良好ですが、それでも年間約1万5千人が命を落としています。

 乳がんは早期に発見し、治療を行えば根治が目指せます。そのために検診が重要です。科学的根拠を持った検診方法としては、マンモグラフィー検診になります。日本人女性の乳がん好発年齢は、40代後半と60代前半にピークがあり、40歳になったら2年に1回マンモグラフィー検診を行うことが勧められています。日頃から乳房を見て触って、セルフチェックする習慣(ブレストアウェアネス)も大切です。乳房の状態(しこり、ひきつれ)、分泌物などの変化を正しく認識し、異常を感じた時は早めに受診をしてください。

 乳がんには5~10%遺伝性のものがあり、家族歴のある女性は罹患率が2倍以上になります。その場合ブレストアウェアネスはより重要で、検診も毎年受けた方が良いでしょう。また、特定の遺伝子に変異がある場合、10倍以上の乳がんや卵巣がんリスクがあることが分かっており、遺伝性乳がん卵巣がん症候群といわれています。

 乳がんの治療は外科療法(手術)、放射線療法、薬物療法(ホルモン療法、抗がん剤、分子標的薬など)を組み合わせて行うことが基本です。がんの進行度(ステージ)と性質(バイオロジー)によって治療は大きく異なり、個別化医療(精密医療)が進んでいる分野です。近年では、遺伝性乳がんに効果を認めるPARP阻害薬や、がんが体に備わった免疫機構から逃れるシステムを解除する免疫チェックポイント阻害薬などが、保険診療で使えるようになりました。

 肥満やアルコール摂取、喫煙などは、乳がんのリスクを高めます。逆に、定期的な運動など健康的な生活が、特に閉経後の女性においては、リスクを下げることが分かっています。各市町村でも特定の年齢の人を対象に乳がん検診があります。まずは検診を受けましょう。

担当医
及川 将弘(おいかわ まさひろ)先生
及川病院 乳腺外科部長

協力:福岡市医師会

関連するキーワード


ぐらんざ診療所

最新の投稿


発行元:株式会社西日本新聞社 ※西日本新聞社の企業情報はこちら