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久留米市美術館 生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎

久留米市美術館 生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎

10月29日(土)~2023年1月22日(日)


久留米が生んだ世界に誇るふたりの洋画家 対照的な足跡とこころの交流をたどる

 絶筆はふたりの人生を象徴するかのように対照的です。

 左上の作品が青木繁の絶筆『朝日』です。大海原に昇る太陽は、代表作「海の幸」を描いた太平洋を望む千葉・房総海岸の日の出をイメージさせます。制作した1910年は、日露戦争の勝利から5年後、日本が世界の列強に踊り出した時代でした。青木は中央画壇への復帰を夢見ながら、結核に蝕まれて翌年に28歳の若さで亡くなります。絵筆を執る天才青年の胸中は、察するに余りあります。

 一方の坂本繁二郎が選んだのは月です。牛や馬をテーマにしてきた坂本は、82歳から月雲を描き始めました。青木の死から58年後、絶筆となったのが1969年の作『幽光』です。月の光は柔らかですが、ここでは雲に覆われて定かに見えません。この時代、高度経済成長を遂げた日本は、公害問題が次第に深刻さを増し、大学闘争やベトナム反戦運動の高まりもあって、社会が騒然としていました。

 テーマは対照的ですが、ふたりの絶筆は時代の空気を見事にとらえているように思えます。

 青木と坂本は、140年前の1882年に久留米市で生まれ、同じ高等小学校に通い、同じ洋画の路を志しました。幼いころからともに慣れ親しんだ筑後の風景を描いたのが、下の坂本の作品『日本風景版画筑紫之部 水縄山』です。

 青木は遺灰を「ケシケシ山の松の樹の根に埋めて」と遺書に残しました。ケシケシ山とは、水縄(耳納とも表記)連山の西端にある兜山の通称です。1948年、坂本はその兜山に記念碑を建立します。前年に下見をしてから完成するまでの間、道も整備されていないこの山に、還暦を過ぎた身で7回も登ったといいます。

 日本を代表する画家ながら、ふたりの作品だけによる展覧会は、石橋美術館(現久留米市美術館)が開館した1956年以来、実に66年ぶり2回目です。

 青木と坂本の交流がどんなものだったか。その足跡を会場でたどってください。

青木繁《朝日(絶筆)》 1910年
油彩・カンヴァス 72.5×115.0cm
佐賀県立小城高等学校同窓会黄城会(佐賀県立美術館寄託)
佐賀県重要文化財

坂本繁二郎《幽光》 1969年
油彩・カンヴァス 31.7×41.0cm
石橋財団アーティゾン美術館

坂本繁二郎《日本風景版画筑紫之部 水縄山》 1918年
木版 17.0×23.5cm
久留米市美術館


繁竹治顕
元NHK記者。’93年全米オープンゴルフ、’94年リレハンメル冬季五輪、2000年シドニー五輪などを取材。福岡放送局広報事業部長、副局長。現在、九州国立博物館振興財団専務理事。

福岡近郊博物館・美術館のスケジュール

※( )内の料金は、特別・前売り・団体料金、詳細はお問合せください

九州国立博物館 特別展 ポンペイ

~12月4日(日)
●一般 1,900円
●高大生 1,200円
●小中生 800円
休館日/月曜(11月28日は開館)
☎050・5542・8600(ハローダイヤル)

久留米市美術館 生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎

青木繁《海の幸》1904年
石橋財団アーティゾン美術館蔵
重要文化財
10月29日(土)~2023年1月22日(日)
●一般 1,000円(800円)
●シニア 700円(500円)
●大学生 500円(300円)
●高校生以下 無料
休館日:月曜(1月2日、9日は開館)
年末年始(12月29日 ~1月1日)
※会期中紙作品を中心に展示替えあり
☎0942・39・1131

福岡市博物館 特別展 独眼竜 伊達政宗

~11月27日(日)
●一般 1,600円
●高大生 1,200円
●小中生 500円
休館日/月曜
☎092・711・5491

北九州市立美術館 本館 スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち

~11月20日(日)
●一般 1,500円(1,300円)
●高大生 1,200円(1,000円)
●小中生 800円(600円)
休館日/月曜(11月14日は特別開館)
☎093・882・7777

長崎県美術館 NBC創立70周年記念 イスラエル博物館所蔵ピカソ-ひらめきの原点-

11月11日(金)~2023年1月9日(月・祝)
●一般 1,300円(1,100円)
●大学生・70歳以上 1,100円(900円)
●高校生 800円(600円)
●中学生以下 無料
休館日/第2、第4月曜・年末年始
☎095・833・2110
パブロ・ピカソ
《座る女》 1949年
油彩・カンヴァス
イスラエル博物館(エルサレム)蔵
Gift of Alex Maguy, Paris
Photo © The Israel Museum, Jerusalem by Elie Posner
© 2022-Succession Pablo Picasso-BCF(JAPAN)

●新型コロナウィルス感染拡大防止のため、休館・展覧会が中止・延期される場合があります。お出かけ前に各施設のホームページなどで確認してください。

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