どんな話題が飛び出す!?親子共演が大人気
言わずと知れた、歌謡界の大御所、父・前川清さん。息子の紘毅さんは、優しい歌詞と声音で女性のハートを揺らす、シンガーソングライターだ。そんなふたりがコンビで贈るラジオ番組が人気だ。毎週日曜のよる7時。週が明ける前の憂鬱な時間を、軽妙なトークと笑いで包んでくれるのはいいのだが、内容はというと親子の会話とは思えない砕けたもの、ちょっぴりエッチなものもあって、リスナーの耳は釘付けにさせられる。芸歴50年を数える父・清さんのユーモアぶりを知る人は多いが、テンポやキャラクターも違う息子の紘毅さんとも、そこは親子、独特の間合いや掛け合いで話が盛り上がる。
「ラジオだとあまり制限されることなく自由にやらせてもらえるので自然に突っ込めて楽しいです」と紘毅さんが答えれば、すかさず清さんが、
「テレビと違って見えないですからね、裸で出れますよ」。
答えに窮し苦笑いでいると、
「裸で(素で)話せるということですよ?台本通りのお利口な番組より、外れた時が面白い」と、してやられる。そんな父・清さんに息子は、
「単にテンションを上げるだけでなく、人に耳を傾けさせたり、心を打つトークを盗みたい」との思いを呟く。
面と向かって喋れない親子は多い。普段はそんなに話さないというふたりも、仲が悪いわけではないという。
「ほんとにくだらないことも喋ってると思いますが、番組を聞いて『これよりマシだ』、『たまにはメールの一つでも』と話す機会になってくれれば嬉しいですね。」
九州男児の頑固父子にも、優しく背中を押してくれる番組のようだ。
予定調和のない ふたりの男のダンディズム
番組には、「父と息子がもてなすダンディズム漂うひと時」というキャッチフレーズがつく。ダンディズムとは?と聞くと、
「飾らなくても格好いい雰囲気…父もシンプルにデニムにTシャツとかでも格好いいんですよね」と、紘毅さん。そんな息子に父・清さんは、
「全てはお客様が決めてくれる。面白いかどうか、いつまでやれるか、全てお客様次第」と、真髄をついたダンディな一言をくれた。
親子であり、同じ歌手。なのに、音楽の話は一切しないという。二世などという甘えた概念も存在しない。お互いに、「ひとりでやってけ」、「ひとりでやっていく」の精神。なぜって?それは「違う生き方」だからという。それでいいか?何を武器に生きていくか?全てはお客様が決める。大御所の父ですら、未だ「私を知らない人はたくさんいる」と謙虚だ。
「本を読め、勉強しろ」というのが唯一のアドバイス。
子どもの頃は、家族でゴルフによく行った。今なおジャンルは違えど多趣味なふたり。まだラジオでゴルフの話はしたことがないけれど、予定調和のないふたりの放送には、いつも裸の会話が飛び交う。好きでなったわけでもなかったという歌手で成功した父と、日々、息をするように音楽を紡ぎ続ける息子。交わってはいないようでも、そこかしこに漏れる本音が、面白さの中にお互いを見守る愛に溢れている。
KBCラジオ
『KIYOSHIとHIROKIのBAR TAKE5』
毎週日曜 よる7:00〜7:30