「先生が描いたもの、リアルに再現しておきましたから」
Ⓒ2021 映画「キャラクター」製作委員会
映画『キャラクター』
監督/永井聡
出演/菅田将暉、Fukase(SEKAI NO OWARI)、高畑充希、中村獅童、小栗旬 他
配給/東宝
◎TOHOシネマズ天神・ソラリア館、ユナイテッド・シネマキャナルシティ13、
T・ジョイ博多、シネプレックス小倉、T・ジョイ久留米 他にて公開中
久しぶりにダークでショッキングな映画に遭遇しました。
主人公の漫画家・山城圭吾(菅田将暉)は、お人好しな性格から悪役を描ききれず作品は迫力に欠け、アシスタント生活。支えているのは同棲中の恋人・川瀬夏美(高畑充希)です。漫画家を辞めようと決意した彼に、師匠から依頼されたのは「誰が見ても幸せそうな家」のスケッチ。
彼の目を引いたのは、クラシック音楽と間接照明の明かりもれる一軒家。インターフォンを押しますが応答無し。玄関は開いており、好奇心から中に入ると見るも無残な一家4人の遺体。そして、出会ってしまった謎の男。
この日を境に、山城の作品『34』には凄味のあるダークな世界が描かれ、ヒットに繋がっていきます。山城は第一発見者として事情聴取されますが、謎の男のことは伏せたまま。その後、山城の作品をなぞるような殺人事件が次々に起こります。
刑事役として小栗旬さん、中村獅童さんも登場。思わず目を背けたくなるシーンもありますが、演者の鬼気迫る演技に作品の世界へと引き込まれていきます。そして驚くべき結末が。
謎の男役のFukaseさんは、人気バンド『SEKAINOOWARI』のボーカリスト。実力派俳優陣の中で、強列なキャラクターを放っています。ミュージシャンが、これほどまでに難役を演じ切るとは。驚かされた作品です。
佐久間みな子
KBCアナウンサーからKBCシネマにも携わり、現在はフリーアナウンサーへ。会話塾の講師を務める他、コミュニティラジオ天神のパーソナリティとして活躍中。