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【ぐらんざ人】映画製作総指揮・絵本作家・芸人 西野亮廣

【ぐらんざ人】映画製作総指揮・絵本作家・芸人 西野亮廣


大人も泣ける絵本が待望の映画化

 5000部を超えればヒットと言われる絵本業界において、わずか4年で55万部超えを達成した絵本『えんとつ町のプペル』。描かれているのは黒い煙で空を覆われ、周囲を4000メートルの壁で覆われた「えんとつ町」のお話です。人々は空を見上げることを忘れ、青い空も輝く星も知りません。外の世界のことを語れば、うそつきと呼ばれてしまう。そんな世界で少年ルビッチはゴミ人間のプペルと出会って―。

 大人も泣ける絵本として話題となった本作が、待望の映画化。製作総指揮を務めるのは、原作者であり芸人としても知られる西野亮廣さんです。作品を生み出したきっかけを伺いました。

 「25歳のときにテレビの世界から軸足を抜いて、絵本を書き始めたりだとか、ひな壇に出るのをやめたりだとか。いわゆる芸人さんの活動の場所からちょっと外れて、あれやこれやと始めたんですね。そのあたりから、世の中のバッシングが激しくて(笑)。あと、自分が2013年にクラウドファンディングをやったときは、世の中の人はクラウドファンディングを知らないから詐欺だの宗教だの散々言われたんですよ。みんなが知らないことをやると、だいたいそういうことを言われるんですけど。夢を語れば笑われて行動すればたたかれる、この世界を作品の中に落としこみたいなと思ったときに、『えんとつ町』がいいな、って。頭の上は煙でモクモクで、見上げることができない、見上げても何も見えないっていう、そういうところからのスタートでした」

2020年の公開にこだわりたい

 物語のスケールの大きさから、当初より映画化を構想していたという本作。西野さんはコロナ禍で揺れる2020年の公開にこだわったと言います。

 「まず、えんとつ町っていうのは夢も希望も持てない世界で。そんな中で主人公のルビッチ君とプペルが、『いやいやもうちょい頑張ろう、何かあるかもしれない』みたいに頑張る物語って、今のご時世と重なる部分があって。作品の中でそういう、『諦めるな、信じろ』みたいなことを言っているのに、その作り手がコロナだーって逃げて、安全圏から球を投げても説得力がないなと思ったんですね。だったら、みんなと同じように、むちゃくちゃ大変なのも承知で、理不尽も多分むちゃくちゃある中で挑んで、むちゃくちゃ努力して、むちゃくちゃ知恵と勇気みたいなのを振り絞ったらいけるじゃんみたいなのを見せたいっていうのが強くて。だから絶対今年だって。今年は本当にね、皆さん大変な思いをされたし、たくさん泣いたし。ただこのまま今年終わるのは、あまりにも辛すぎるから、最後の最後はハッピーエンドをお届けして、ど真ん中のエンタメをお見せします。どうか劇場に足を運んでいただいて、活力にしていただけるとうれしいです。よろしくお願いします」

 下を向きそうなとき、空を見上げる勇気をくれる映画を見つけました。

Ⓒ西野亮廣/「えんとつ町のプペル」製作委員会

映画『えんとつ町のプペル』
■製作総指揮・原作・脚本:西野亮廣
■声優:窪田正孝、芦田愛菜、立川志の輔、
 小池栄子、藤森慎吾 他
■配給:東宝=吉本興業
◎12月25日(金)よりユナイテッド・シネマキャナルシティ13、T・ジョイ博多、ユナイテッド・シネマ福岡ももち、シネプレックス小倉他にて公開


山﨑智子=文
text:Tomoko Yamasaki

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