特集このあたりで気分転換

わたしたちの街・福岡は、さまざまな表情を持っています。
遠くに行かなくとも、祈りの場所、自然や歴史、ホスピタリティーに触れると
心も体も癒やされていくもの。
さあ、このあたりで一息、気分転換しませんか。

志賀海神社

① ②玄界灘を見下ろす山に鎮座する志賀海神社は、古より「海神の総本社」「龍の都」とたたえられ、海上交通の要地・博多湾の総鎮守として信仰されてきた
③ 遥拝所の鳥居下には亀石が。神功皇后の航路を守り導いた志賀明神と勝馬明神を乗せた黄金雌雄の亀が石になったものと伝えられている
④ 神社には、清めの砂「御潮井」も置かれている

　博多港から船に乗って30分、志賀島へ。いつもは車で向かう場所も潮風に吹かれ、海を渡ると旅気分を楽しめる。港に降り立ち、向かうのは志賀海神社。伊邪那岐命（いざなぎのみこと）の禊祓（みそぎはらえ）の際に出現された神様、綿津見三神がまつられている。鳥居をくぐり、深い緑に囲まれた石段を一段ずつ登ると、清らかな空気に包まれ思わず深呼吸。本殿に手を合わせ、ふと右を見ると海へ向かって立つ鳥居に気づく。ここは摂社の大嶽神社、皇居、伊勢神宮を拝む「遥拝（ようはい）所」。ここからの景色を眺めるうちに、心が洗われていく。

志賀海神社
福岡市東区志賀島877 TEL092・603・6501
アクセス／博多港志賀島行き３０分、志賀島渡船場より徒歩１０分
　　　　　都市高速香椎浜インターより志賀島方面25分

野河内渓谷

キラキラ輝く川面、木々やコケの緑が目にも涼しい

　残暑厳しいこの季節は、川のせせらぎや、風にサワサワと揺れる葉音に癒やされる。早良区にある野河内渓谷は、福岡市内唯一の渓谷。井原山の麓にあり、曲渕ダムに流れこむ八丁川の上流に位置している。川沿いに整備された約７００ｍの遊歩道沿いには、不動明王、むくろうじ渕、鮎返りの滝など見どころが点在し、折り返し地点の風涼峡までは約20分。自然の中を気軽に散策をすることができ、夏場は特に避暑地としても人気が高いスポットだ。

渓谷を訪れる際の注意

◎サンダルやハイヒールは滑りやすいので避けて
◎花や草木の持ち帰りは禁止
◎ゴミは各自で持ち帰りを

野河内渓谷
福岡市早良区飯場
TEL092・833・4306（早良区役所企画課）
アクセス／曲渕バス停から野河内渓谷入り口看板まで徒歩15分
　　　　　野河内渓谷駐車場から徒歩10分

福岡城跡

① 福岡城を象徴する下之橋御門は、現在も本来の位置に存在する城内唯一の御門。平成20年11月に本来の二重櫓御門として復元された
② 地下にある堀石垣。この石垣が発掘されたことで、堀の幅は現在よりも10ｍほど広かったことが分かった
③ ガイドさんが示す先にある、大きなおにぎり形の石が鏡石。鏡の力で魔力をはね返し、城の安寧を祈願していたと言われる。大きな石を使うことは、城主の力を誇示する意味もあった

　福岡城跡の隠れた見どころが、地下にあることを知っているだろうか。明治通り沿いを赤坂交差点から旧裁判所方向に進むと道路際に「福岡城堀石垣」の案内板と地下に降りる階段がある。階段を降り、道路中央線下あたりまで進むと、石垣の遺構を見ることができる。地下鉄工事中に発見された、福岡城の堀の石垣跡だ。福岡城には他にも、東御門跡石垣には「鏡石」と言われる魔よけの石があるなど気になる場所がたくさん。歴史探訪を楽しもう。