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ぐらんざ診療所 快適なお通じのために

ぐらんざ診療所 快適なお通じのために


 便秘で悩む中高年が増えています。トイレに行ってもコロコロの硬い便が出たり、排便に時間がかかったり、排便があってもスッキリしないと言う人が少なくありません。便秘が慢性化すると、仕事や家事にも支障をきたす恐れがあります。また、心臓や脳血管の病気のリスクにもなるともいわれています。快適なお通じのために必要な行動を紹介します。

 便秘の定義について「便通異常症診療ガイドライン2023(慢性便秘症)」では「本来排泄すべき糞便が大腸内に滞ることによる兎糞状便(とふんじょうべん)・硬便、排便回数の減少や糞便を快適に排泄できないことによる過度な怒責(どせき)、残便感、直腸肛門の閉塞感、排便困難感を認める状態」と定義しています。つまり、便の硬さや回数だけでなく、気持ちよくスムーズに排便ができることが大切になります。

 便秘の主な原因は、日常の水分摂取量が少ないことや、大腸で過剰に水分が吸収され、便が硬くなること。大腸の動きが弱く、直腸まで便が運ばれにくいこと。便意を我慢する習慣により、直腸の排便反射が弱まること。過度な小食やダイエットなどの食事制限。ストレスによる大腸のぜん動運動の低下などが指摘されています。

 便秘を解消するため、まず必要なことは正しい生活習慣を心がけることです。具体的には ①便意を我慢しないこと ②適度な水分を取ること。起床後、コップ1杯の水を飲むこと、結腸が活動的になるのは起床後1時間以内とされています ③朝食をしっかり食べること。食物繊維などを多く含む和食がお勧めです ④睡眠時間を十分に取るなど生活のリズムを規則正しくすること ⑤トイレの姿勢を工夫すること。便が出やすい姿勢として上半身を前かがみにして、両肘を太ももの上に置き、両足のかかとを上げると、直腸の肛門角が開いて便が出やすくなります。有名な彫刻家ロダンの「考える人」と同じポーズです。

 最後に、便秘の原因として大腸がんが隠れている事もありますので、排便の状態が気になる方は医師に相談してください。便秘薬についても、わが国には優れた薬がたくさんありますので、自己判断はせずに医師の指示に従って正しく服用しましょう。

担当医
那珂川病院院長

吉村 寛志先生

協力:福岡市医師会

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