新NISAがスタートした今年は証券口座を開設して投資を始める人が増えています。少額から投資ができる投資信託は預金と違って元本割れの可能性があることが注意点です。投資にリスク(収益の振れ幅)はつきものですが、なるべくリスクを抑えて、上手に付き合っていきたいものです。投資信託のリスクを抑えながら、投資をうまく続けるコツを学びましょう。
あなたが許容できるリスクは?
投資の世界では「リターン」は投資で得られる収益を、「リスク」は収益の振れ幅を指します。リスクとリターンは表裏一体。リスクが大きいものほどリターンも大きく(ハイリスク・ハイリターン)リスクが小さいものほどリターンも小さく(ローリスク・ローリターン)なります。投資をする場合、自分がリスクをどれくらい許容できるかを考えましょう。余談ですがローリスク・ハイリターンの商品はありません。そんな話が聞こえてきたら、注意してください。
リスクとうまく付き合う方法は、ズバリ3つ
オーエンの財成安心(57)は、夫・高利(60)の勧めもあり、新NISA口座を開設、夫婦で老後資金を蓄えることにしました。しかし、堅実派の安心は「自分に投資ができるだろうか」と不安も感じています。
非課税で投資できる新NISAを夫婦でやれば、老後資金の倍増も夢じゃない。
良い制度なのは分かるけど、私に投資ができるのか、不安だわ。
「案ずるより生むが安し」だよ。とにかく始めよう。
白浜さん、投資のリスクとうまく付き合う方法、教えてください。
承知しました! 方法は3つあります。しっかり勉強しましょう!
■白浜FPチェック リスクを抑える方法
ズバリ1 長期投資
長期投資とは文字通り、長い期間にわたって投資を続けることです。短期的な値段の上下よりも、長期の経済成長の大きな波に乗ることができます。とにかく時間を味方につけることです。金融庁は2017年、株式・債券に分散投資をして20年間保有し続けた結果、元本割れがなかったことを示しました(下図参照)。
ポイント 長期保有、金融庁が有効性実証
●国内外の株式・債券に分散投資した場合の収益率の分布
(注)1985年以降の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券の買付けを行ったもの。各年の買付け後、保有期間が経過した時点での時価をもとに運用結果及び年率を算出している。
出典:金融庁ウェブサイト
コツコツ20年間、投資を続け たら元本割れなしなのね~。私は77歳、あなたは80歳。よ~し、頑張りましょう!
エイエイオー!でも、20年も積み立てるのは長いなぁ
ズバリ2 積立投資
上手な投資の本質は「安い時に買って高い時に売る」ですが、それは理想にすぎません。そんなことプロでもできません。そこで一度にまとめて買うのではなく、一定額を定期的に買う「積立投資」をお勧めします。この方法を採れば、タイミングを気にせず、価格が安い時に多く、価格が高い時に少しだけ買うことができるため、平均購入単価を低く抑えることができます。
「ドル・コスト平均法」っていうのよね!
よくできました!
AさんとBさんが果物屋でリンゴを買いました
所持金はいずれも1,200円。Aさんは、単価100円の初日に全額を投じて12個のリンゴを購入しました。Bさんは、300円ずつ4日間に分けて購入しました。初日100円だったリンゴは、2日目には150円に上昇、3日目は50円に下落し、4日目は100円に戻りました。この結果、12個購入したAさんに対し、Bさんは14個買うことができ、平均購入単価も86円と安くなりました。
ズバリ3 投資対象を分散する
保有する金融商品の種類を増やせば、一度に値下がりするリスクは小さくなるといわれています。異なる値動きをする資産の代表格が株式と債券(国債や社債など)。
株価が上昇しているときは債券の価格は下落し、株価が下落しているときは債券の価格が上昇する傾向にあります(下図参照)。
※グラフはイメージであり、将来の成果をお約束するものではありません。
株式型の投資信託と債券型の投資信託を組み合わせることでリスクを抑えることが可能になります。
白浜FPのアドバイス 一括投資なら「長期・分散」重視で
長期・積立・分散は、リスクを抑えながら、運用する基本的な方法です。ただし、ぐらんざ世代の中には、積立ではなく、今ある資産の中から一括投資をしたいと考える人もいるでしょう。その場合、10年以上使わない予定の余裕資金を使って、ご自身のリスク許容度に合わせ、「長期・分散」を重視する投資手法もありだと思います。
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2024年10月号のテーマは「相続・贈与税法改正のポイント」です。
イラスト
まき りえこ
福岡市在住の漫画家・コミックエッセイスト
近著に「子どもをネットにさらすのは罪ですか?」
白浜 仁子
(しらはま ともこ)
fpフェアリンク株式会社代表取締役
福岡市中央区今泉2丁目1-35
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